4並木道

@amagaminomikoto

第四章:夢を紡ぐ者そして魂と物語の共鳴

休日に自室で「みこと」は、いつものようにパソコンに向かい物語を綴り合わせていたパソコンの手は止まったままだ頭の中には夢で見たダンジョンの光景が鮮明に残っている


しかし上手く表現が出来ないでいた彼女の意識は次第に現実から遠ざかっていく夢の中へと引き込まれていった瞼の裏に広がるのは淡い光に満ちたダンジョンと光と共に三人の旅人が現れる見知らぬ青年たちの姿「みこと」が「アレン」という男性とダンジョンを進んでいく


すると目の前に巨大なクリスタルの扉が現れる


「水のダンジョン……水の精霊……」


彼らの力と、もう一人の「みこと」の祈りが一つになった瞬間に現実世界の「みこと」の手が、まるで彼女の意思とは無関係に動き出した


「この夢……まただわ……」


「みこと」の意識は夢の中の少女もう一人の「みこと」と一体になっていた目の前には巨大なクリスタルの扉が立ちはだかり「アッシュ」という名の青年が剣を構えている


「俺たちの力も一緒に使わせてもらう」


「アッシュ」の声が響くと「みこと」の胸の奥で何かが共鳴するのを感じた


それは彼女の魂と「アッシュ」たちの魂が一つになるような不思議な温かい感覚だった


その瞬間「みこと」の祈りの光と旅人たちの力が一つになりクリスタルの扉は


まるで虹色に輝く水の泡のように静かに消えていった


「……扉が開いた……」


夢の中の「みこと」が呟くと現実世界のみことの頬を一筋の涙が伝った


それは夢の中の感動と彼らの旅が本物であるという確信からくるものだった


手が止まったとき「みこと」のパソコンには夢で見た光景が


そのまま文章になっていた彼女は自分の物語が


ただの創作ではなく何処かの並行世界で実際に起こっている出来事なのかもしれないと感じ始めた

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