狂喜乱舞。
雨宮 治
第1話 本当の自分ヲ解き放て
彼女の名は小田嶋 沙絵、現中学2年生
彼女は今心の内で葛藤していた
「うぅうん、また離れてっちゃった、」
彼女は独特な感性と感覚を持ち合わせており
それのせいか同級生との感性の間隔が
拡がってしまっていた。
彼女が描く絵は他の女の子たちとは
全くもって違うものであり、
男の子から見ても不気味で恐ろしいものであった
その絵は黒いボールペンと白い紙だけで
描かれておりそれを他の誰かが例えると
「黒い怪物」「悪夢に出てきそうな巨獣」
黒いからだに黒目大きく開いた口に尖った爪
何とも不気味で見ただけで眉を顰めるものであった
その絵の不気味さは1年生の時から
悪い意味で有名であり2年生になってからも
1年生と3年生の間で小さく有名になるほど
「ねぇ、小田嶋 沙絵って子、いる?」
3年生から声がかけられるのも対して
時間はかからなかった。
「君って、さ特殊な絵を描くんでしょ?」
少し色の薄い茶髪とジト目というのか
少しだけ鋭い目付き、髪は少しぼさついている
「私は吉瀬 美穂、3年4組、だよ」
少し喋り方に癖がある人は吉瀬というらしい
「自分は久慈 亜理須」
すごいキラキラネームだな、
黄色味が強い髪色の人
「、串田 寧々」
黒髪のくせっ毛の人、この人は2年1組だ
「それで、なんの用ですか?」
私も負けず劣らず内気に見える見た目だ
目の瞳孔の大きさが左右で違うのが特徴
黒髪でロングだけど少し癖毛だ
「私たちもさ、ちょっと他の人とは
違う感じだから、さ」
違う人同士で集まっているらしい
それで使われていない教室でお互いの
「他とは違う」を見せ合おうという
「私は人形でー」「私はー」
それでも私のよりマシだったり人中だったり
「私の絵は私を解き放ってるの、
これが私これが私の絵だから私が自由になるには
これが必要だから私の周りとは違うこの黒が私で私の黒は他とは違うのハハ、私と同じなのは黒だけ
あなた達とも違う私は私しかいないからそれだけだから。。」
「えっと、、そう、なんだちょっと私、」
「ちょっと私も用事が、」
久慈さんと串田さんは私の事をありえないという
目で見つめたあとそそくさと部屋から
出ていってしまった。
「、、、いいね、自分も、自分をさらけ出したいな」
残ったのは亜理須さんだけだった
「!、亜理須さんは私の事分かって
くれるんですか!」
「うん、勿論、そうするにはちょっと
場所を変えたいな。」
そうして亜理須さんに連れていってもらったのは
彼女の家の近くにある小屋だった
「ちょっと準備するから紙袋を被って待ってて
「?わかった」
何故か紙袋を被って待った、その準備とは何なのか
ゴトッガコッゲッナベトッ
そんな聞いたことがない音が続いて
少し恐ろしくなってきた。
けれどこれはチャンスかもしれない
私を見てくれる初めての人かもしれないんだから
だから私は彼女を待った、
まぁ、だって私以上に可笑しい人は居ないんだから
「もーいーよ」
彼女の声が聞こえて紙袋を頭から外した
彼女の方を見ると私の目は狂った
あの彼女の声が出る怪物のようだった
私が描いていた絵がでてきたような、
いや、私が描いてた怪物よりも酷い、狂ってる
頭が極端に大きくて、大きいから左の方に傾いてる
両目が大きくて大きい頭の2分の1を占めてるくらい
手脚は細いのに長い、黒と白に別れた体の色
瞳は小さくて私をジッと捕らえてる
怪物だ、恐怖の化身のようだ、
私の目はこいつを見て狂ったんだ、
こんな、こんなやつが
私の人生で居るわけがない。私の手足が
フルフルと震えてくる。
「ねぇ、どう?私を見てどう思った?
本当の私、どう見える?」
化け物が私の方へ細長い右脚を
コチラへ一歩踏み出した。
「いや、いやぁぁぁぁぁ!、、」
恐怖が限界を突破して私は小屋を抜け出した
「ま、待って、自分はただ、見て欲しかっただけ、
本当の僕を、1人だけでも」
走って走って走っても、後ろからの走る音は
ずっと鳴り止まなかった
「ねぇ、待って、待ってよ、」
タッダッタッダッ、規則正しく鳴る足音
私は近くにあった茂みへ隠れた
私はあまり動かさなかった体で
いきなり走ってしまったからか
吐き気が込み上げてきた。
「あぁ、あぁ、ぁああぁぁああぁぁあぁああああ」
あの化け物、あの化け物の近くにあったのは
亜理須さんの抜け殻?
亜理須さんの顔が皮みたいに剥がれてて、
その中からあの、あの、あの怪物が、
「うっ、ぅおっおえっっ」
口の中が気持ち悪くなってあまり食べない胃から
胃液が流れ出た。
横から二酸化炭素の暖かい空気が流れた気がした。
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