第七話 お値段以上



開店準備



みんなで挨拶し、着替えて話しを始める。


平田

今日から泊まり込みで練度を上げていきます。

新メニューも3つ増やして行くので覚えて行ってください。


ここから数日、みんなで泊まり込んで何度かカレーを作って練度を上げた。


三人はローテーションで料理長を決めて、役割分担をしてチキンカツ係はチキンカツのあげる前のモノを作り、タッパーに寝かせ、日付と時間を書いて行き、オーダーが入れば油の入ったフライパンで上げてはカットまでする。


カレー係はご飯を大きめのお椀に200g掬ってはお玉で二杯カレーをかける。

カツカレーの時はカツを乗せた所にも少しかけて行く。また、ご飯を定食用に掬うのもここの部署になる。


カツサンド係はキャベツの線切りのストックを作ってはタッパー毎に日付と時間を書いていく。また、からしマヨと複数の配合ソースも作っては同じ様にしていく。


平田は接客と提供と交代で洗い物をしつつ、現場監督をしていく。


朝一の流れとしては料理長を決めて、流れを発表して、玉ねぎの微塵切りをしそれを飴色になるまで炒めて、一人がじゃが芋、人参、タマネギの皮剥きしつつ、もう一人が鶏肉をカットしていく。


本日の料理長がカレーを仕上げて行きつつ、指示を出して一人が炊飯、一人が食器の準備や客席のチェック、油の温度を管理する。


準備が整うと全員で店先を掃除し、最終チェックをし、神棚に全メニューとレモン水を奉納し柏手を叩く


午後の繁盛時を過ぎると遅めの昼食を食べながら午後の仕込みの話しをする。


平田は仕事が終わり賄いを食べるとみんな部屋に閉じこもって出て来ないのを不思議に思い隣の部屋を訪問して見た。


ピンポンを押し、失礼しても?と声掛けをすると返事があった。


商人(あきんど)

ああ、お師匠はん!

どうぞ、どうぞ


中に入るとTVから時代劇が流れており、ソファーの前にはコップに瓶ビールにポテチが並んでいた。


平田

え?えー!

俺の部屋はテレビ無いのに、ラジオだけなのに


商人

冷蔵庫ってええモン出んなぁ

風呂上がりにキンキンに冷えたビールにポテチ!最高ですわ

テレビもおもろうて、見入ってまうわ


特にお笑いは最高や!


平田は他の二人の所に行くと同じ仕様の2LDKで町人にいたってはTVゲームをしつつケーキにコーラ、侍はムーディーな曲を聞きつつブランデーの水割りをサラミチーズにトマトスライスを肴にやっていた。


各所には細かく説明書がついていた。


ただTVは女神様セレクトの番組が流れてるようだった。


平田

みんなが出て来ない理由は分かったけど。

女神様、良いのかなぁ、ここは元禄、江戸時代だぞ?


仕事終わりは皆さんリラックスして自由に過ごしているのであった。


こんな感じで数日が過ぎた。


本日の料理長の侍が話す。


お師匠、そろそろどうで御座るか?


平田

うん、そうですね。

明日から開店しましょう!


町人

そう来なくっちゃ!

早く、この美味(うめぇ)ー料理をみんなに食わせてやりてぇーもんだ!


商人

みんな、目ぇ、白黒させまっせ!


うむ、楽しみであるなw

値段はどうするのか?


平田は天を指差しながら喋る。


上司って言うか、上が言うにはチキンカレーが12文、チキンカツ定食は18文、チキンカツサンドは16文、チキンカツカレーは20文で料金先払いだそうです。


三人が驚愕の表情になる。


お、お師匠!幾ら何でも・・


商人

値段、無茶苦茶や!

お師匠はん、上の方が決めたって・・ええんでっか?


町人

お師さん、蕎麦一杯が十六文ってもんですぜ?基本のチキンカレーライスが12文って安過ぎやしませんかい?


平田

いや、上がそう言うんで・・


三人も上を見ながら


「神仏の類がそう言うなら」と納得した。


商人

そやけど、この味と値段知ったら、もう元の食べ物には戻れんのちゃうかな?


であるな。

取り敢えずは値札を作らねばな。


いつの間にか用意された値札用の板に判りやすく筆で書いていく。


鶏かれぃ飯      十二 文

鶏かつ ぱんはさみ  十六 文

鶏かつ定食      十八 文

鶏かつかれぃ飯    二十 文



平田

うん、知ってた。

鶏ばっかw


さてさて明日からどうなるのやら乞うご期待



誤字脱字等は小まめに訂正して行きます。   空銃

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