盲目ギャルとラブコメは反比例
彼方夢(性別男)
盲目
第1話 最初はイモ子。今はギャル。
中学生の女は、だいたい可愛いよな。
教室の片隅で、生徒指導の教師と毎日言い争いを繰り返している女子を見て、よくも飽きずに……とか思ったりもする。
けど、彼女らの眩しすぎる太腿を見て、少し興奮もしてしまった。
――俺は中年のロリコンじゃないぞ。それはあくまで思春期男子の真っ当な
「スカートをもっと下げろ! 誰に見せているんだ!」
「誰に見せるっていうかぁ、お洒落じゃん」
いやいや、お洒落は他人に見せるためだろ。
こうして、自身のスカート丈をなんとしても短くしようとしている女ばかり。
だが、一言だけ言えることとしたら――
「やっぱ綺麗だな」
「なにが?」
ついぞ漏れた言葉に反応したのが、隣席のそんな洒落っ気には興味がない、というのを貫いている少女。
名前は
まさしくモブ少女よろしく、影や幸も薄くクラスでは空気な歩美。
「お前さ、もっとメイクしたりお
「興味ないし、それに私目が見えないもん」
そう、歩美は目が見えない。
先天性疾患で、生まれつき光を見たことがない。だからだろうか、歩美にはいつも陰りがあるのは。口調や態度などが、諦観じみているというか。
俺は、頬杖をついて「そんなもんかな」と視線を宙に移す。
「あっ、そうだ。今日俺の家、誰もいないんだよ」
「それで?」
「家に来いよ」
「……意味わかんない」
「決まりな。みっちりいろいろ教えてやるわ」
「……変態」
*****
駅や道で、
周囲の人間は気遣ってくれているのか、はたまた異端視しているのかは分からないが、一瞥もくれずに通り過ぎる。
そうして、俺の家に着いた。部屋に入り妹の部屋をノックする。
――返答なし。
なら、勝手に入らせてもらう。ゴミが散乱していて、異臭がする。
「これが女の部屋か?」
だが、不思議なものでこれだけ汚い部屋でもメイク道具だけは整理整頓されていた。
意味が分からん……
その中からBBクリームとCCクリームをひったくった。それとUVクリームも。
「あのさ、
「私が……メイクなんかしても変人扱いされるだけだよ」
「そんな事ねぇから。まずやってみろよ。俺さ、お前の可愛くなった姿、見てみたいからさ」
そう言うと、彼女は首肯した。少し、頬を染めながら。
「分かった。やるだけやってみる」
「一応、親に見てもらえよ。下地クリームは塗りすぎ厳禁だからな」
「分かった……」
それから彼女は帰っていった。送っていこうか、と言ったが「大丈夫」と返された。
*****
翌日。歩美が教室に来たとき、空気が変わったかと思った。
呆気に取られていた生徒たち。それは俺も同じだった。
絶世の美女が俯きざまに登校してくる、その様は誰もが注目してしまうものだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます