第3話 識別番号A3351

 識別番号:A3351

 名称:此岸トンネル


 A3351は、◯◯県と××県の県境に存在していると推定される、全長3.5キロメートルのトンネルです。

 正確な築年数は不明ですが、壁に使用されているコンクリートを分析した結果、少なくとも築20年が経過していることが判明しました。


 トンネルは以下のもので構成されています。


 ・『此岸トンネル』と表示された銅製と思われるプレート。

 ・消えかかった白線の書かれた、アスファルトの二車線道路。

 ・天井に不規則に並ぶ照明(蛍光灯)。


 調査可能な範囲に、警報装置、非常電話などの設備は確認されていません。


 本トンネルにおいては、以下の事件が発生しています。


 ・◯◯県側からトンネル内へと侵入し、概ね1キロメートルほど進んだ物体は、人間・機械を問わず失踪する。

 ・◯◯県側の入り口、あるいはトンネル内からであれば確認できる××県側の出口が、外からは発見できない。

 ・『此岸トンネル』なるトンネルを建築した記録は、◯◯県、××県のどちらにおいても確認されていない。また周辺地域の法人にも、『此岸トンネル』が存在する地域でトンネル掘削に関連する業務を請け負った記録が全く存在していない。


 現在、此岸トンネルの入り口は土嚢としめ縄により封鎖されています。また、入り口から300メートル地点に祠を建設し、トラブルに備えた結界を構築しています。


 此岸トンネルにおいて作業を行う場合は必ず二名以上で行動し、作業完了後は人の増減が発生していないか確認してください。


 トンネル内部へと侵入する場合はB号装備の携帯が義務付けられており、また、人間が入り口から700メートル以上奥へ進む行為は禁止されています。

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