日本一の桃太郎
もふもふ
第1話
「日本一の桃太郎」 もふ山もふの進
吉備の国に産まれ、鬼を退治したと言われる英雄、桃太郎
おそらく日本一有名なキャラクターであろう
そんな彼には鬼を倒す為の3体のパートナーがいた。
犬。
猿。
雉。
みな性欲が盛んであり、旅の途中で野営をする際には桃太郎は奴らの喘ぎ声で中々眠れず悶々として、新たな性癖を開拓したのはまた別の話である
メンバーは全てオスであり、当然それぞれがタマをふたつ持っている
鬼との戦闘の際に犬はタマをふたつとも切り落とされ、地に落ちた
それはいつしか芽を出し、すくすくと成長したものがイヌノフグリという植物である
小さくも美しい花を咲かせる野草だ
古来より人々はイヌノフグリの花を見かけると春の訪れを感じていた
しかし、落ちたタマはもうひとつあったのだ
もうひとつのタマから生まれた植物、それこそがオオイヌノフグリである
名前も見た目も似ているので、両者の間には縄張り争いが絶えず、鬼を倒して平和になったはずの世の中は再び戦乱の世になった
当初こそ戦力は均衡していたが、しかし繁殖力が強いオオイヌノフグリはジリジリと領土を広げ、いつしかイヌノフグリを追い詰めていく
近年、イヌノフグリはほとんど見られることはない
しかし、彼らは反撃の機会を今か今かと疑っているのだ
どうか彼らが反撃などせず、手を取り合って生きていけるような環境を作っていくこと、それが現代を生きる我々に課せられた任務なのかもしれない
日本一の桃太郎 もふもふ @mohumohuuuu
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