第19章 「大舞台の挑戦」

県大会の決勝戦。

 観客席は熱気に包まれ、応援の声がスタジアムを揺るがす。

 俺はユニフォームの袖を握りしめ、深呼吸を繰り返した。


 「絶対に負けられない」

 胸の内で強く誓い、ピッチに足を踏み出す。


 試合は序盤から激しい攻防が続き、相手チームのエースに何度も狙われた。

 そのたびに、俺は体を張って守り、仲間にパスを回した。


 後半、チャンスが訪れた。

 坂口さんとの息の合った連携でボールを奪い、俺は相手ゴールに向かって突き進んだ。


 ゴール前で一瞬の隙を見つけ、渾身のシュートを放つ。

 ボールはネットを揺らし、スタジアム中が歓声に包まれた。


 歓喜の中、俺は涙を流した。

 ここまでの道のりが走馬灯のように蘇り、全ての苦労が報われた瞬間だった。

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