シイカ
かどみなかずき
『ドレスと私兵』
地球儀にはりめぐらされたじぐさぐの線にからまる悲喜こもごも
本棚は深夜の配置転換でも忠実に従う私兵組織
シャンプーのいない世界で新しいシャンプーとリンスを見つめるリンス
ごみ箱にフリースローする脳内はいつもブザー・ビートの景色
愛読書を背の高い順で立ててゆく文庫わずかな差で競い合う
たけのこときのこの代理戦争すらやめられないのが人間である
フィリピン産バナナ熟せば熟すほどきれいに折りとることができない
安っぽい大人っぽさでも欲しくってペットボトルのコーヒーを呷る
直線に降る雨粒がないことを証明するため窓を見ている
ビール缶ポストの頭上に流れ着きつぎからつぎに流れ着き、王冠
ウクライナの戦場に立つ人たちに同い年は何人いるだろう
目玉だけ大量生産されていて蝶のふりして飛びまわってる
宴会を上に住んでる人がしてるみたいに響くどこかの花火
読書用アカウントとは読了本縫い合わせてつくるドレスのこと
夕やみのシングルベッドに横臥して自分の尻を撫で回してる
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