◆フローラ（佐藤花子）

元は現代日本でごく普通の会社員として働く、20代半ばの女性。地方出身で、上京後は一人での食べ歩きやネット通販での「お取り寄せグルメ」が趣味。特にB級グルメをこよなく愛するが、その趣味ゆえに友人は少ない。異世界に「聖女」として転移するも、魔力ゼロと判定され「落ちこぼれ」と蔑まれる。しかし、故郷の通販サイトにアクセスできるチート能力「現代物資召喚」を手にし、異世界の食文化に革命を起こしていく。人々の「美味しい」という笑顔を何よりも大切にし、料理への情熱と前向きな性格で困難を乗り越える、真の「食の聖女」。

◆ヴィクトリア

20代後半の若き騎士団長。真面目で規律を重んじる堅物で、剣の腕も立つ優秀な女性騎士。当初は魔力ゼロのフローラを「偽聖女」と疑い監視するが、フローラの作る「奇妙な料理」がもたらす変化、特にその美味しさを目の当たりにし、その真の価値を理解していく。不器用ながらもフローラを守り、協力するようになるツンデレ気質。フローラの料理によって、自身の冷徹な心が少しずつ解きほぐされていく。

◆リリアーナ

王家の第三王女で、10代前半の幼い少女。病弱で食が細く、王宮の味気ない料理に飽き飽きしている。無邪気で感受性豊か。フローラが作るお好み焼きの最初の理解者であり、その美味しさを王宮中に広めるきっかけを作る、物語の癒やし担当。フローラの料理によって健康を取り戻し、食の学校では広報役としても活躍するようになる。彼女の純粋な笑顔が、フローラの大きな支えとなる。

◆エルウィン

30代前半の宮廷魔術師団所属の若手魔術師。魔法だけでなく、世界の真理や未解明な現象にも強い興味を持つ、知的好奇心旺盛な人物。フローラの「現代物資召喚」の力を魔法の新たな形として捉え、彼女の持つ現代知識と異世界の魔法・技術を融合させようと試みる。フローラの能力の秘密を知る唯一の協力者であり、技術的なサポート役として、様々な魔法具の開発に貢献する。

◆グスタフ

40代後半の、王宮に長年仕える経験豊富で腕利きの王宮料理長。異世界の伝統的な料理法と格式を重んじ、自身の料理に絶対の自信とプライドを持つ頑固者。当初はフローラの「奇妙な」料理を邪道と見なし、強く反発・対立するが、後にその料理の真価を認め、自身のプライドを捨てて新たな料理の道を模索する。最終的にはフローラの弟子のような存在となり、「食の学校」の主任教師として後進の指導に情熱を注ぐ。