吸血鬼の目覚めというとダークであったりゴシックであったり、人ならざる雰囲気をイメージしますよね。実際に主人公の環さんは危険にも晒されます。でも、彼女が吸血鬼として初めて夜をゆく描写というのは、どこか解放されたような、爽やかで心地よいものに感じられたのです。キャラ同士の交流と対立に柔らかい熱があるのも好きですね!吸血鬼×青春。ハンターさんとの描写も瑞々しい現代ファンタジーです。
記憶を失い、吸血鬼になってしまった主人公・九条環ちゃんと共に読者も非日常に飛び込んでしまう錯覚を覚える、とても惹き込まれるお話です。徐々に集まってくる記憶の断片に、容赦なく進行していく現実の異常事態。とても続きが楽しみな作品です。