陰キャで巨漢のおばちゃんはひっそりと推し活がしたいっ!

無雲律人

前編:推し活とは?

 ──推し活。


 それは現代日本において一大産業となっている人々の行為。


 推しのグッズを買う。推しのライブに行く。推しのCDや本を買う……。それはそれは、様々な形の推し活がそこにはある。


 推しに課金する事は神に課金する『賽銭』と同義だとする一大派閥もいる。もはや推しは神の領域にまで達している存在なのか。


 自分には誰も推しなんていない、そういう人もいるだろう。


 しかし、私にはいるのだ。


 そう、『推し活』という単語すらなかった時代から推しているあのお方が。


 三十年前、一目見た時からあなたの事を推し続けています。あなたはいつだって私の天使です。


 そんな、熱い想いを抱えている『彼』が。


 だがしかし、私の推し活は一般的な推し活とはかけ離れているものだった。何故なら私は──陰キャで巨漢のおばちゃんだからである。

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