第14話 思考の渦
二〇二四年七月一一日 二三時五分
カナコは自宅に戻り家の雑務を終えた頃にはすでに時間は二三時になっていた。寝る支度をすませ事件のあったことを再度整理する。
まず疑問なのが目撃者の数が異様に少ないことだ。夜の河川敷であったこと、ホームレスしかいない場所であったことから通常なら誰も近づかない。しかしあれだけ凄惨な事件を起こしたにも近くに住んでいたホームレスが一人しか気づかないなんてあり得るのだろうか。
そして場当たり的な犯行。被害者もバラバラ、いや粉々の文字通りミンチにしてまで惨殺したのだ。場当たり的にしては不自然に思えてならなかった。ホームレスの証言では黒い大きな影と二つの赤い光。
まったくと言っていいほど犯行動機と計画性が読めない、それでいて証拠は少ない。
「まぁ、証拠といえば」
カナコは小さな透明の袋を取り出した。中には布の切れ端だった。確かにこれは証拠といえるだろう。
「言えるのか?」
小さな布の切れ端をが入った。パッキンをつまむ。被害者の血が若干付着している。元々は若草色だろうか。麻の素材が使われたものだ。これ以外はホームレスが惨殺された肉片や内臓などがほとんどだ。
いったいどんな犯人なのだろう。考えれば考えるほど見えてこない。
被害者の身体はどうだっただろうか、鑑識の報告によるとバラバラにされた肉片の切断面は力任せに巨大な口で噛み切られたような後だったそうだ。
「まさか本当に怪物とか……」
多数の目撃情報自体はあるが実際には半信半疑だった。
カナコはノートPCを立ち上げてSNSや動画サイトから検索をかけてみる、本当に気まぐれだった。
あんまり情報の出どころの確証がさだかではないので個人的には仕事で使いたくはないが行き詰まっている現状、どんな些細なことでも手掛かりやとっかかり、思考を前進させるアイデアが欲しかった。
検索によりでできた内容はやはりというべきか、どれも信憑性に欠けるものばかりであった。獣害だという意見や特撮じみた、二足歩行の化け物の写真などが数多く撮影されていた。中にはいかにも合成だろ。という物も多く混じっている。
「あぁ~見なきゃよかった。」
PCをスリープ状態にし座っているゲーミングチェア回転させながら自分の思考もぐるぐると堂々巡りをしていた。
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