第29話 沙耶vs結衣 セーラー服レズバトルキャットファイト

# 断崖絶壁の取っ組み合い


「離しなさいよ!」結衣(ゆい)の甲高い声が海風に乗って崖に響いた。


沙耶(さや)の腕を振りほどこうともがきながらも、二人の指は互いの肩に食い込んでいた。「先に振ったのはそっちでしょ!」


砂浜から数十メートルの高さにある切り立った岩場。潮の香りが濃厚に漂う中、制服姿の二人が汗と涙で顔を濡らしていた。結衣のセーラー服の襟が乱れ、沙耶のブレザーの袖は泥だらけだった。


「浩太郎を騙したのはあんたじゃない!」結衣が叫ぶと同時に沙耶の頬を叩いた。乾いた音が岩肌に反響する。


「嘘つき!」沙耶が報復とばかりに結衣の髪を掴んだ。「あのメッセージを見せたのは誰だって思ってるの?」


バランスを崩した結衣が後退りする。崖際まであと一歩というところで沙耶の足が伸びてきた。二人はもつれるように地面に倒れ込んだ。


「やめてよ……こんな所で!」結衣が叫ぶが、沙耶の瞳には理性の光がない。


「私の浩太郎を返してよ……」沙耶の爪が結衣の首筋を引っ掻いた。


---


### 第二ラウンド:地面での攻防


砂と岩の上での取っ組み合いが本格化した。結衣が体勢を立て直そうとするたび、沙耶の長い脚が邪魔をする。膝蹴りを受けた結衣のスカートが裂けた。


「恥ずかしくないの?こんな下着見せて」沙耶の嘲笑。


「あなたこそ!そのボロボロのブラウスで何言ってるの!」結衣が反撃に出た。手探りで沙耶の腰に手を伸ばし、ベルトを引き千切った。


制服の破片が風に舞い上がる。二人は今や半裸同然だったが、どちらも恥じ入る様子はない。むしろ露出した肌を武器にするように絡み合った。


### 第三ラウンド:決着へ


「浩太郎はあなたのものでも私のものでもない」結衣の言葉が沙耶の動きを鈍らせた。「三人で幸せになる道を探せなかった私たちが悪いのよ」


「今さらそんなこと言うわけ?」沙耶の目から涙がこぼれた瞬間、結衣の掌底が沙耶の胸元を打った。


「痛っ……!」沙耶の叫びとともに二人はまた転がる。今度は崖の方へ。


「もうやめよう」結衣が提案した瞬間、沙耶の手が結衣の足首を捕らえた。


「終わるわけないじゃん……」沙耶の唇が歪んだ笑みを作る。「私たちの『愛』の証拠が必要なんでしょ?」

次の瞬間、二人の指が交錯し、力比べが始まった。


## 断崖絶壁の死闘(続き)


夕陽が水平線に沈みかけた時刻。潮風が血の匂いを運んでいた。


「もう終わりにしようって言ったよね?」結衣が荒い息で言う。沙耶の首元に回した腕に力が籠る。


「終わりたくないから……始まったのよ」沙耶の笑みには狂気が滲んでいた。膝で結衣の肋骨を押し上げる。


二人の吐息が絡まり合い、唾液混じりの接吻のような光景。沙耶が突然結衣の制服の袖に歯を立てて引きちぎった。


「これが私たちの愛の証!浩太郎に見せてあげるわ!」沙耶が布切れを掲げる。


結衣の目つきが豹変した。「勝手にしてろ!」渾身の力で沙耶の腕をねじり上げる。関節が悲鳴を上げた。


「イタッ……やめて!」沙耶が叫ぶ。が、その瞳は逆に燃え上がっていた。「じゃあ教えてよ!どうして……あの日彼に触れてたの?」


質問に答える代わりに、結衣は沙耶の喉仏を掌で塞いだ。「浩太郎は私たちの間で苦しんでた。あなたは何も気づいてなかった……」


「だからって奪うなんて!」沙耶の爪が結衣の顎をかすめた。血が滴り落ちる。


均衡を崩した二人が斜面を転がり始めた。岩が制服に穴を開け、擦り傷が増える。崖縁ギリギリで止まった時、


「死ぬ気なの?」結衣が問い詰める。


「生きたくても生きられない恋をしてたのはどっち?」沙耶の拳が結衣の腹にめり込んだ。


痛みに呻きながらも結衣が逆襲に出る。沙耶の耳朶を噛みちぎる勢いで攻撃した。「私たちは三人とも……バカだったんだ!」


月明かりが昇るころ、制服はほとんど原型を留めていなかった。しかし二人の闘志だけは消えずにいた。波の音よりも激しい肉体の衝突音だけが夜空に響いていた。


「まだ終わらないよ……」沙耶が囁く。


「当たり前でしょ」結衣が応えた。「これが私たちの『卒業式』なんだから」


## 終わらない闘争 - 断崖絶壁編


月光が砂埃を照らし出す中、二人の少女の肉体は限界を超えていた。


「もう……何もかも終わりにしたいのなら……」沙耶の言葉と共に、彼女は結衣の腕をつかんだまま崖へと引き寄せた。「一緒に堕ちる?」


結衣の足が宙に浮く。十センチほどの幅しかない岩棚に二人は必死にしがみついていた。


「あなたと心中なんて……」結衣が憎々しげに呟く。「絶対イヤ!」


突如、結衣の蹴りが沙耶の側頭部に炸裂した。沙耶がぐらつく隙に、結衣は彼女の髪を鷲掴みにして自分の方へ引き寄せる。


「痛っ!放せよ!」沙耶が抵抗するが、結衣の指は髪に絡みついたまま。「この汚い手!」


結衣の額から流れる血が目に入り視界が霞む。それでも彼女は沙耶の脇腹に肘打ちを決めた。「浩太郎は私たちのものなんかじゃなかった……私たちが彼のものだったのよ!」


「それじゃあなぜ!」沙耶の手が結衣の首筋に伸びる。「私たちの関係を壊したの!?」


その問いに答える代わりに、結衣は全力で沙耶の背中に体重をかけた。二人は岩棚から滑り落ちるように斜面を転がり始める。制服の破片と皮膚片が飛び散る。


「死んでも許さない!」結衣の咆哮が断崖にこだました。「浩太郎の心臓を取り出したのも!写真を隠したのも!全部……全部!」


沙耶の爪が結衣の瞼をかすめた。「嘘つき!本当はあんたが先に裏切ったんでしょ!」


二人がようやく止まったのは、海に近い平らな岩の上だった。全身の擦り傷から血が滲んでいる。息も絶え絶えながらも、どちらも降参の意思はなかった。


「次はどうする?」結衣が挑発する。「首でも締め合う?」


「それなら……」沙耶の微笑みに冷たい輝きが宿る。「お望み通りにしてあげる」

再び始まる攻防。今度は互いの腕を取って力比べに持ち込む。筋肉の痙攣が見えるほどの全力勝負。


## 禁断の攻防 - 潮騒響く崖辺にて


沙耶が結衣の右手首を捻り上げると同時に、二人の乳房が直接触れ合った。汗で滑る肌同士が吸い付き、奇妙な快感が走る。


「ふふっ……」沙耶の喉奥から漏れる嘲笑。「感じてるの?こんな時に」


結衣の顔が赤くなるのを見て沙耶は更に大胆になった。左手で結衣の左乳房を掴み、強く揉みしだく。


「痛っ……!」結衣の悲鳴が海風に消える。「何を……してるのよ!」


「愛ある行為ってやつ?」沙耶が耳元で囁く。「浩太郎は知らない私を見せてあげる」


抵抗する結衣の膝が偶然にも沙耶の股間に当たった。一瞬の怯みを逃さず、結衣は形勢を逆転させる。


「私も見せてあげる……」結衣の指が沙耶の内腿へ滑り込む。「あなたの中の獣を」


湿った吐息が二人の間に充満する。汗と潮の匂いが混ざり合い、官能的な雰囲気を醸し出していた。


「やめて!」沙耶が叫ぶが、それは制止ではなく哀願の響き。「これ以上したら……戻れなくなる!」


「戻る場所なんて無いわよ!」結衣が吠えると同時に戦術を変えた。両手を沙耶の背後に回し、尻たぶを力任せに広げる。


「キャアッ!」予想外の攻撃に沙耶の体が跳ねる。「卑怯者!」


「真剣勝負でしょ?」結衣の指が敏感な部分を狙う。防御のために沙耶は結衣の髪を掴み返すが効果は薄い。


二人の動きは次第に洗練されていった。まるで長年共に戦ってきた女闘士のように—相手の弱点を的確に捉え、最も効果的な箇所を攻撃する。


「これが最後のチャンスよ」結衣が警告する。「降参するなら今だけ」


沙耶の目に妖しい光が宿った。「冗談言わないで……これからが本番でしょ?」


月明かりの下、二人の影が重なり合い、新たな局面へと移行していく—


## 禁断の闘技 - 夜の海辺にて


月光が岩場を銀色に染める中、二人の闘いは新たな段階を迎えていた。沙耶の爪が結衣の首筋を這い上がり、結衣の指が沙耶の内腿をまさぐる。吐息が熱く交差する空間は、もはや単なる暴力とは言い難い緊張感に包まれていた。


「もっと見せてよ……」沙耶が結衣のブラウスの残骸を剥ぎ取る。「本当のあなたを」


露わになった白い肌に、沙耶の舌が蛇のように滑り込んだ。乳首を執拗に弄ぶその動きは支配欲の表れか、それとも愛情の裏返しか。


「あんたこそ……」結衣が喘ぎながら反撃に出る。「自分の本性を曝け出しろよ!」


両者の動きが加速する。沙耶が結衣のパンティを引き下げると同時に、結衣は沙耶のスカートをまくり上げた。月明かりの下、互いの秘所が無防備に晒される。


「綺麗ね……」沙耶の吐息混じりの言葉は嘲りなのか讃美なのか判別できない。


「気持ち悪っ……」結衣の罵声と共に中指が沙耶の中心へ侵入した。「こんなことで私が屈するとでも?」


「思ってないわ」沙耶の指も容赦なく結衣の中に滑り込む。「ただ……」


言葉の続きは激しい痙攣によって遮られた。二人の嬌声が波音に混じり合い、断崖に響き渡る。


「これが私たちの答え」沙耶が恍惚とした表情で宣言する。「浩太郎なんか要らない」


「そうかもね……」結衣が同意しながらも手は緩めない。「でも勝つのは一人だけよ」


夜空を仰ぐと天の川が横たわっている。星々の見守る中で、二人の雌豹は互いの尊厳をかけた闘いを続けた。汗と唾液と愛液が混ざり合う音だけが、静かな浜辺に響き渡っていた。


## 星屑の観客 - 天の川の下で

東の空が白み始める頃、二人の少女は砂浜に横たわっていた。互いの汗で濡れた肌が朝露と混ざり合い、月光より繊細な輝きを放っている。


「もう……動けないわ……」結衣の声は枯れかけていた。


「まだ……終わりじゃない……」沙耶が弱々しく手を伸ばし、結衣の頬に触れる。その指先には、かつての敵意は影を潜めていた。


「何が残ったと思う?」結衣の問いかけに沙耶は虚空を見る。


「傷だけじゃない……」微かな笑みが沙耶の唇をかすめる。「何かが芽生えたはず」


遠くで波が砕ける音が聞こえる。二人の間には既に殺気も嫌悪も存在せず、奇妙な連帯感だけがあった。

「帰ろうか」結衣が提案する。彼女の目には初めて見る


## 裂帛の闘争 - 涙と汗の狭間で


朝焼けが空を染め始めても二人の闘争は続いていた。傷ついた乳房を押し付け合いながら、沙耶の歯が結衣の鎖骨に食い込む。


「痛っ……やめなさい!」結衣の怒声に応じて沙耶は首筋に吸いついた。「あんたの味……忘れられないわ」


「ふざけないで!」結衣の膝が沙耶の腹部を直撃する。呻き声を上げた沙耶だが、その手は離れなかった。「浩太郎を奪った償いをしてもらう!」


「奪われたのは私たちの方でしょ!」沙耶の爪が結衣の乳首を摘み上げる。「毎晩泣いてたあなたを知ってるんだから!」


波音が遠ざかるほどの激しい格闘。互いの局部を掌で押さえつけながら、二人は砂浜に押し倒し合う。結衣の指が沙耶の陰核を執拗に刺激する一方で、沙耶の舌が結衣の耳朶を噛み千切りそうな勢いで攻め立てた。


「こんな事しても意味ない!」結衣が叫ぶ。「私たちの友情はもう……」


「友情なんて最初からなかった!」沙耶の絶叫が響く。「あったのは嫉妬と欲望だけ!」


互いの膣口を掌で覆いながら体を捩らせる二人。汗で濡れた肌が摩擦で赤くなり、息遣いが荒くなる。


「認めなさいよ……」結衣の息が絶え絶えになる。「私たち同じものを感じてたって」


沙耶の目から涙が零れ落ちた。しかし攻撃の手は緩めない。「だったら最後まで……」


二人は同時に相手の最も敏感な部分を摘み上げた。短い悲鳴と共に体が弓なりに反り返る。


「浩太郎なんかどうでも良くなってる自分が怖いの……」結衣の告白に沙耶の動きが止まった。


朝日に照らされた二人の顔には敵意ではなく、困惑と恐怖が浮かんでいた。


## 衝突の痕跡 - 煉瓦壁の路地裏で


住宅街の狭い通路。結衣が買い物袋を持ち直した瞬間、後ろから鋭い息遣いが聞こえた。


沙耶の爪が結衣の髪を鷲掴みにする。「また逃げるつもり?」


袋が地面に落ちるより早く、結衣も反撃に出た。二人は煉瓦壁に背中を押し付け合うように接近戦に突入する。


壁の漆喰が飛び散り、靴跡が床に刻まれる。結衣が先制攻撃で沙耶の腕を壁に押さえつけるが、沙耶の膝が結衣の脇腹を直撃した。


二人の体が分離した瞬間、地面への転落が始まる。結衣が沙耶の髪を離さないまま引き倒し、路上で絡み合う格好になった。


「二度と……」沙耶の歯が結衣の唇に食らいつく。赤い糸が引く。


「調子に乗るな!」結衣が沙耶の額を殴打し、仰向けに転がす。追い討ちの蹴りが沙耶の脇腹に入るが、間一髪で避けられる。


沙耶が起き上がりざまに結衣の胸元を掴み上げる。二人は煉瓦塀に背中を押し付け合いながら、互いの口を狙う熾烈な攻防を繰り広げていた。


周囲の住民が窓から顔を覗かせるが、二人には目に入らない。結衣の拳が沙耶の鼻を打ち抜き、鼻血が飛び散る。沙耶は即座に結衣の顎を膝で打ち上げた。


転げ落ちた二人はゴミ箱に激突する。ビール瓶が割れる音とともに、二人は路上に崩れ落ちた。


結衣が先に立ち上がり沙耶の首を掴むが、沙耶の肘鉄が結衣の鳩尾に入った。互いの腕を掴み合ったまま二人は再び地面を転がり始める。


「終わらないよ……」沙耶の囁きと共に二人の手が相手の髪を掴み直した。そして再び立ち上がると同時に戦闘態勢に戻る。壁際まで押し合う格闘の中で、結衣の噛みつき攻撃が沙耶の肩口に命中した。肌を裂く感触に沙耶の目が見開かれ、


「ふざけんな!」沙耶の拳が結衣の頬を捕らえた。よろめく結衣に沙耶が馬乗りになり髪を引っ張り上げる。「こんなところで終われると思うなよ!」


怒りに任せて沙耶が結衣の口に噛みつこうとするが、結衣の手が素早く沙耶の喉元を押さえ込んだ。二人は喉笛を掴み合ったまま壁際に押し付けられ、


## 舞台裏の決着 - 煉瓦壁の狭間で


路地裏の薄暗がりが二人の汗に濡れた肌を青白く映し出す。結衣が壁に押し付けた沙耶の腕が震えている。


「もう終わりにしよう」結衣の囁きには意外な優しさがあった。「お互いの裸くらい見慣れてるでしょ?」


その言葉に沙耶の目に混乱が走る。結衣の指が沙耶の乳房を包み込む。「昔みたいに……」


抵抗する間もなく沙耶は壁に背中を押し付けられていた。結衣の舌が首筋を這い上がるにつれ、二人の吐息が徐々に熱を帯びていく。


「卑怯なやり方ね」沙耶が苦笑いを浮かべる。「でも好きよ……そういうところ」


両者が同時に相手の股間に手を滑り込ませた瞬間、遠くで犬の吠え声が響いた。二人は反射的に距離を取り、乱れた服を整える。


「今度はどこで?」結衣が挑戦的に問いかける。


「あんたのベッドで」沙耶の答えに迷いはなかった。


路地から去り際、振り返った二人の間に敵意はなかった。ただ燃え尽きることのない炎のような眼差しと、明日も続く闘いへの期待だけが残されていた。



## 仮想舞台:クラブ「ルナティック・ブルー」


DJブースの轟音が骨に響く中、二人は鏡のダンスフロアで向かい合っていた。周囲の踊り狂う人々は彼女たちの間に漂う火花に気づかない。


「ここであなたの人生終わらせてあげる」沙耶のヒールがステップを踏みながら近づく。


結衣は挑発的に腰を回し、ショルダーストラップを肩から滑り落とした。「できるならやってみな」


ディスコボールの光が二人の肌を七色に染める中、最初の接触が始まった。互いの髪を掴み合う二人がダンスフロアを転がりながら、周りの群衆の足元をすり抜けていく。


「私の体に夢中になってたでしょ?」結衣の膝が沙耶の大腿を抑え込む。香水と汗が混ざり合った匂いが二人を包み込む。


「その代償を払わせるわ」沙耶の指が結衣のシャツのボタンを外していく。露わになった素肌に観客の歓声が上がった。


音楽がトランスビートに変わるタイミングで二人は起き上がり、クラブ中央の小さな階段に追い詰め合う。観客の視線が全て集まる中、二人の格闘はより艶めかしく、演劇的になっていった。


「見られてる……」結衣の呼吸が荒くなる。


「見せつけてやればいい」沙耶の唇が結衣の頬を伝う。「私たちの美しさを」


クラブライトの閃光の中、二人の攻防は芸術と闘争の境界線上を行ったり来たり。観客の拍手と口笛が二人の熱気を煽っていく。


## ステージ上の狂宴


音楽が突如停止し、ピンスポットが二人を照らし出す。観客のざわめきが最高潮に達した時、結衣は突然ドレスを脱ぎ捨てた。金糸の刺繍が施されたアンダーウェアだけになった体が眩しいほど輝く。


「どう?」結衣が挑発的に腰を振る。「私のカラダに勝てる?」


沙耶の唇が歪む。「なら賭けてみようか」



二人が近づくたびに観客の叫び声が大きくなる。腕を絡め合いながら回転し、時には相手の体に沿って這うような動きで観客を魅了していく。だがこれはショーではない—互いの体を使って相手を消耗させようとする戦略なのだ。


結衣の爪が沙耶の背中を這い上がり、沙耶の唇が結衣の肩甲骨を辿る。二人は互いの体を知り尽くしていた—どこが弱いか、どこが最も刺激的か。


「昔を思い出すわね」沙耶が囁くと同時に結衣の内腿をなぞる。


## 暗がりの戦慄 - 女同士の死闘


路地裏の冷たいコンクリートに二人の体温が溶け込んでいく。沙耶の髪を掴んだ結衣の指に力が入り過ぎて、数本が抜け落ちた。


「痛っ!」沙耶の悲鳴に構わず結衣は彼女の体を壁に押し付ける。「あの日のことを謝りなさいよ!」


沙耶の膝が結衣の腹を直撃する。二人はもつれ合いながら地面に崩れ落ちた。上になった沙耶が結衣のブラウスを引きちぎり、乳房を露出させる。


「謝るべきはあなたでしょ!」沙耶の指が結衣の乳首を摘み上げた。「いつも浩太郎に色目使ってたくせに!」


痛みと怒りに顔を歪めながらも結衣は反撃に出た。沙耶のスカートをまくり上げ、ショーツの中に手を滑り込ませる。「そんなに好きなら自分で慰めれば?」


沙耶の目が見開かれる。「この淫乱がっ!」


二人は髪を掴み合い、体を捻りながら地面を転がる。爪が皮膚を裂き、唇が切れて血が滲んだ。やがて結衣が優位に立つと、沙耶の股間に手を伸ばした。


「やめてっ!」沙耶の抵抗も虚しく、結衣の指が敏感な部分を刺激し始める。「卑怯よ……」


「公平だったことなんて一度もない」結衣の囁きが低く響く。「あなたも同じでしょう?」


涙と汗に濡れた沙耶の体が痙攣する中、結衣は立ち上がって見下ろした。「浩太郎なんか諦めなさい」


沙耶の目に怒りの炎が宿る。「まだ終わってない!」


二人の闘争は続いていく。それは単なる憎しみを超え、複雑に絡み合った感情の爆発だった。そしてその中で、誰も気づかぬうちに新しい何かが芽生えつつあった……


「生き残るのは私だけ……」沙耶が掠れた声で呟く。彼女の目は開いているものの焦点が定まらない。


「いや……」結衣が応える。唇の端から血を拭いながら。「一人では無理」


二人の手が自然に触れ合う。指先が互いの体温を確認するようにゆっくりと絡み合う。敵意は消え去り、残ったのは疲労と不思議な一体感だけだった。


「浩太郎のこと忘れる?」結衣の質問に沙耶はゆっくりと首を振る。


「忘れられない……だから一緒に思い出にしよう」


朝霧が島全体を包み込み、二人の体の輪郭がぼやけていく。まるで二人の境目が溶け出していくようだった。


遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。結衣と沙耶は互いの腕の中で眠りについた。互いの呼吸のリズムに合わせて、心臓の鼓動が重なり合う。


朝日が高く昇る頃、二人はようやく目を覚ました。どちらからともなく、互いの顔に浮かぶ笑みを見つける。


「おかえりなさい」沙耶が言う。

「ただいま」結衣が答える。


それは新たな友情の始まりであり、それ以上の何かかもしれなかった。


## 砂浜での決別 - 未完の和解


結衣の言葉が途切れた瞬間、沙耶の表情が一変した。突然立ち上がると彼女は海へ向かって歩き始めた。


「どこ行くの?」結衣が慌てて追いかける。


「もう決めたの」沙耶の声は静かだが揺るがない。「これ以上一緒にいるのが辛い」


結衣の足が止まる。「だからって逃げるの?」


「逃げないわ」沙耶が振り返る。「でも終わりにするの」


朝日を背にした沙耶の姿は神々しくさえあった。結衣はただ呆然と立ち尽くすしかなかった。


「浩太郎のこと……全部忘れなくていいわ」沙耶の目に涙が光る。「でも私とは終わりにしたい」


「なんで……?」結衣の声がかすれる。


「だって……」沙耶が言葉を選ぶように間を置く。「あなたとの思い出が多すぎるの。笑ったことも泣いたことも全部」


波打ち際に立ち止まった沙耶が深く息を吸い込む。「次に会う時は……友達として会いたい」


結衣は何も言えなかった。ただ目の前の光景を見つめるしかなかった。


沙耶の姿が朝靄の中に溶けていく。最後に振り返った彼女の微笑みが結衣の心に深く刻み込まれた。


動画はこちらhttps://x.com/nabuhero

https://x.com/nabuhero/status/1974223250898157850

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