応援レビュー(10話到達おめでとう!)
海乃マリーさんの「毎日更新チャレンジ・好きなもの」は、長さは控えめでも体温はしっかり。正直さとユーモアが素直に立ち上がる“等身大日記エッセイ”です。初回に「基本短文でいきます」「テキトー日記にしようと思った」など舞台裏までさらりと書いてしまう率直さに、まず好感(読者へのお礼&書き直し宣言も含めて)。
各話の“好き”の切り取りも気持ちいい。
・映画:家族で観た『鬼滅の刃 無限城編 第一章』でハンカチ必須、泣きっぱなし──共感を呼ぶ鑑賞メモ。
・コーヒー:ハワイアンの“バニラマカダミア”にときめきつつ、健康情報は「自分の身体と心の声」で判断する姿勢が素敵。
・つぶ貝:回転寿司で“最初の一皿は必ずつぶ貝”、友人が三皿被せてきた小話まで含めて、読後に口がつぶ貝を探すやつ。
・梅仕事:娘さんと作る梅干しに「思い出を残したい」がのぞく。こういう家庭の時間を書けるのが海乃さんの良さ。
・観葉植物:サボテン“胴切り”で復活させるレスキュー談に、生活者の知恵と可笑しみ。
・お酒:休肝日ゼロの告白から「身体さん、ありがとう」→“やっぱり休肝日作ろう”のセルフつっこみまで愛らしい。
・逆方向の終電:起きたら真逆の終点→ビジホ泊のオチまで、笑って学べる“ほどよい教訓”。
・漫画:『ぼくの地球を守って』を推す一言で、世代を超える“好きの記憶”が読者側にも跳ねます。
全体として、「私たちは好きなものでできている」という核が通っていて(ご本人の言葉!)、一話一話が名刺のように人柄を伝えます。通勤前の数分やコーヒーの待ち時間に“ひと口で幸せ”をくれる、軽やかで誠実な連載だと思いました。