第45話 燈球探索10 炎岳6
どうも名残惜しい。
まだこの時間に居続けたい。
そう願ってしまう。
だが、願っても確実にその時間は終わってしまう。
服が優しく風になびき、優しい日の光が空から私を照らす。
炎狩人が毎日、燈の玉を見つけることでこの太陽を維持してきた。
それを反芻して、この光も炎狩人のおかげなのだなと実感する。
この行為を続けることで、太陽は私たちに光を届けてくれている。
この光は、炎狩人さんたち全員の努力の結晶。
ありきたりで月並みな言い方だけど、どの通りだと感じる。
燈の玉を見つけるために、日々一生懸命必死に努力していた姿。
今度は、きっと私の番なんだ。
収穫祭が行われた公園の雷火先輩。
雨が降る農場の中から燈の玉を見つけた端夜。
春の海から燈の玉を見つけた迅斗。
この世界で過ごした一日一日のバトンを繋いできた人達。
このサイクルを閉ざさないために、私も走る。
この世界から離れなくてはならないというのは嫌だ。
優しい言葉をかけてくれた人。
世界の美しさに気付かせてくれた人。
この世界から離れたくない。
寂しい。 怖い。
だけど、この世界のだれにも死んでほしくない。
だから、この世界で死んだとしても前の世界で生きていける私が走る。
絶対に、この世界を救う、滅ぼさせないと、誓う。
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