第11話 「月煙奇譚」制作裏話ー続き
一晩寝たらスッキリ(^_^) 続きです。
■まず絵の呼び名を調べるところから開始
作者の鐘古さんによると「月煙奇譚」は志怪小説風の物語とのことでした。
ふむ、それならば中国の物語にある挿絵みたいにすればいいんだろうまでは分かります。しかし、生成AIのSoraに伝えるには名称が必要です。
はて? 中国風の挿絵って何て呼べばいいのでしょうか?
安全確実なセンを狙えば水墨画でしょうけど、モノクロの世界は私のイメージじゃありません。ほらあの「なんでも鑑定団」でよく鑑定されているような、しなしなした線でキレイな色が乗っているヤツがいいのです、あんな絵を生成したいのです。
Googleで検索しまくった挙句、見つけました。
あの画風は「工筆仕女画(細密美人画)」または単に「工筆画」というそうです。
(ネットで検索すると、あー、このイメージねってお分かりいただけるかと)
画風の名称が分かりましたので、動画「月煙奇譚」は全編工筆画でお送りいたします。
■架空の名称ばかりではないか!
では、楊武帝時代の甘魯州の絵を描けばいいんだね。でも楊武帝? 甘魯州?🤔 イヤな予感が脳裏をよぎります。そう、歴史好きの方ならすでにお分かりの通り、どちらも架空の名前なんです。
小説を読むぶんには架空設定は読者の想像を広げて大歓迎ですけど、ほら絵を描くにはですね、何かイメージできる一縷の手がかりが欲しいわけです。
動画制作の後半で威力を発揮したXでのメッセージ交換も、鐘古さんはXのアカウントをお持ちでないので(あるいは未公開)、ここは私が勝手に決めちゃっていい部分であると判断しました。それはもうリードを解き放たれた柴犬のごとく、私の想像力は思う存分、広い草原を駆け回っちゃうわけです🐶
そうして産み出されたのが「月煙奇譚」のキャラクター群です。
ふてぶてしい県知事や、画面ごとに顔と服装が変わる青洵の妻は生成していて面白かった。
人物の服装はなんとなく「タラス」で馴染みのあった唐時代にしました。本来、志怪小説は唐より古い時代の物語ですが、生成AIの学習範囲を考慮してのことです。
■生成AIの力に感服
1:10あたりの青洵が「高名な文人画家の元で学ぶ」シーン。生成された絵を見て、「なるほど、ここはこういう情景であったか」と、感心。というのも、細かい指定を入れなかったにも関わらず、徳の高そうな老人が若者に丁寧に指導しているじゃありませんか。こうやって教えてもらえば、青洵の才能は伸びるなと納得の一枚でありました。
2:25の県知事が傘付き馬車で駆け付けるシーン。二頭立ての馬の横にまるでサイドカーのように座席がついているのです。力学的にこんな非効率な馬車はあり得ないのですが、ふてぶてしい県知事がふんぞり返ってくつろいでる様子が、まさに「お似合い」でした。人間にはこの発想はないですね、やるなぁ生成AI😄
上記のシーン以降で、青洵の妻が近所の若奥様風からどんどんお水っぽくなっていくのも味わい深い変化です。
■生成AIをどう言いくるめるか
これは改めてまとめたいと思っている項目です。
2:59あたりで妻が燃えるシーンがあります。本来、生成AIは(特にSoraは)人体破壊や生死に関わる表現の生成を拒否するのです。
実際、このシーンで「女性の身体が火に包まれる」と表現したら(プロンプトでは英語)、即座に拒否られました。こういうときは言い換えで回避できることがあります。
言い換えて描かせた絵が上の絵です。キャプションで「燃え盛る」と書いてあるので燃えているように見えるじゃないですか。これ実は「輝く煙に包まれる、煙は炎のように立ち昇る」と記述したんですよ。これなら生成AIは喜んで(かどうか知らんけど)描いてくれるし、なんとなく燃えているように見えるでしょ?😁
一枚一枚の絵にはツッコミどころがありますので、それも含めてお楽しみください。それと、ほとんどの絵で鳥が飛んでいるので、探して楽しむのも鑑賞ポイントのヒトツです。
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