いつもそばに。

asumi

私は遠い昔に死んだ。

死んだのは…2050年ごろだった、と思う。

だって死んでからかれこれ100年以上経っているから。記憶も曖昧になっている。

ここ（霊界）での生活は悪くない。

全てが修行の一環なんだけど、ありがたいことに私に不満はなかった。ちょっとマンネリを感じることがあったが、それも下界のためなら…と思うとやり甲斐がある。

何よりめんどくさい人間関係や虐めがないこと、そして生活の心配をする必要がないのが私に安心と平穏を与えてくれた。

あー霊界サイコーー。

ずっとこのままでいーい。

今までに一度、人間界への転生勧誘が来たが、勿論私はキッパリ辞退した。

だぁれがすき好んで人間なんぞに戻るものか。

頼まれたって嫌だね。

辛い病気したり。痛い事故に遭ったり。

人間に傷つけられたり裏切られたり。

夢なんて叶うのはほんの一握りのヒトだけじゃん。　

どんなに頑張っても、叶わないことがほとんどなのだ。

価値観に縛られて。家に縛られて。

生きてていいことなんて、どれほどある？？

…

ずっとそう思って霊界で過ごして来た。

だが　人間界を嫌うそんな想いも、霊界での長い時の流れが薄れさせるものらしい。

何故かというと。

久しぶりの大ジィ様の来訪が、私に心境の変化をもたらしたからだ。

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