服装(中華)編② アンサー
今回たくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます!
主に「ひれ(肩巾、領巾、比礼)」と「羽衣」の回答で別れましたね。田鶴さま、オオオカ エピ様、babibu様、黒澤 主計様、時輪めぐる様、碓氷シモン様、夏野梅様、雷師ヒロ様、大正解です!
ですが今回、「羽衣」について新たな事実を知ることとなりました。
「羽衣」
「天女の羽衣伝説」で有名なあの飛翔アイテム。『竹取物語』の最後にも登場する。
Wikipedia「羽衣」と『広辞苑』によると、その名の通り、最初は羽毛で出来ていたと言われる。
マジで!!?
かつて使用されていた羽衣のイメージとしては、ミノのようなものだそうです。ちなみに羽織も羽毛で作っていたそうです(「陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様」参照)。マジで!?
Wikipediaによると、神仙思想では、仙人たちは「羽人」だったのこと。「コトバンク」によると「羽服」という道服(道士が着る服)があったそうで、Wikipediaの情報と合わせるとこちらも元々羽で出来ていたみたい。
あのヒラヒラとした細長い布自体をなんと言うのかがこちら。
「
女性が首から肩にかけ、左右に垂らして着飾るヒラヒラした薄絹。
『古事記』によると、スセリビメが夫となるオオクニヌシを助ける時に、領巾を振って害虫を追い出した。他にも「風切領巾」など不思議な力を持ったものがあるらしい。
『肥前国風土記』では、松浦佐用姫が恋人と別れた時に振っていた。
なお、平安時代(『続日本後紀』の「柘枝仙媛」参照)にはすでに「羽衣=領巾」のイメージがあったよう。十二単は、「比礼」とともに「
「
唐代の女性が羽織っていた長いショール。
「帔子(『イラスト図解 中華後宮事典 中華風ファンタジー創作のための』では帔(帔帛)表記)」とも呼ばれる。
日本の肩巾の原型、あるいは同一。シルクロードを通って中国で定着したと言われる。
色んな着方があるが、唐代初期は短かったため、片方の端を裙(スカート)の紐で固定したり片腕に巻き付け、片方を肩から胸にかけるアシメントリーな使い方だった。また、端を結んでマントのように着ることも。
後期になるにつれ複雑な着方をする分、どんどん長くなった。この後ろ手に結ぶ巻き方って何かの拘束?
意外にもこれに関する本の資料、ほとんどありませんでした。私の調べ方が悪いのかな? 国語便覧の十二単のページも探しましたが、ありませんでした。
皆さん、詳しいことを書いている本が見つかったら教えてください。
ちなみにXの「人民中国雑誌社」さんの投稿に、風にたなびく披帛の映像がありました。こりゃ空を飛べてもおかしくないと思うほど幻想的なので、ぜひ!
いやしかし、羽衣がまさか本当に羽でできていたとは……。羽衣伝説のイメージがだいぶ変わります。
そう言えば『鶴の恩返し』も鶴が自分の羽を使って織っていましたね。なんかしっくり来ました。
Wikipedia「Feather cloak」によると、羽毛で出来たコートは東西問わず存在し、その希少性から高貴な人が着るものだったよう。奈良時代に描かれた「鳥毛立女屏風」でも、実際に衣服に羽毛が貼り付けられているそうです。
羽毛は水を弾くため、防水効果もあったようですね。
じゃあどこで、天女たちがまとっている羽衣は肩巾や披帛のような薄衣のショールになったのか?
どうやらこれには「織姫伝説」が関係してくるようです。
日本人に親しみ深い七夕のストーリーは、
1.織姫と彦星がイチャイチャしすぎて仕事をサボる
2.天帝が怒って二人を引き離す
3.しかし一年に一度だけ会うことを許される
だと思います。
しかし中国には別バージョンがあります。
実は、「羽衣伝説」と混ざったお話があるのです。
【~中国の七夕別バージョン(『天河配』)~】
織姫は機織りを仕事とする天女であり、雲のような羽衣を纏って地上に降りてきます。
一方、牛飼いの若者は、飼っていた年老いた牛からこう言われました。
「今日天女さまが水浴びをしに降りてくるので、羽衣を盗んで天女さまを手に入れましょう!!」
牛飼いの若者は羽衣を盗み、帰れない織姫と結婚することができました。そして子どもを授かります。
しかしいつまでも帰ってこない様子に、父親である天帝は激怒。軍隊をよこして織姫を天上へ連れて帰ります。
悲しみにくれる子どもたちと牛飼いの若者。
そこに年老いた牛がリターンズ。
「私の皮を使って、織姫を追いかけるのです!!」
年老いた牛の言う通りにすると、人間でも天上へ行くことが出来ました。
ようやく追いついたものの、そのすんでで織姫と若者の間に天の川が引かれてしまいました。
そしてなんやかんやあって、一年に一度会うことが許されたのでした。
【~おしまい~】
牛の存在が濃すぎて、初めてこのお話を聞いた時何も入ってきませんでした。
このバージョンもいくつかパターンがあって、「そろそろ寿命が近いのでその皮で作って身につけてください」もあれば、頭をぶつけて自殺した牛の皮を泣く泣く剥いで纏うパターンもあるそうです。後者エグい。
おそらくこの七夕伝説が出来た頃から、羽衣は羽から絹の布になったのだと思われます。たしかに披帛が風にたなびく姿って、ふくらんで雲みたいに見えますね。
今回は予想外のことが知れて楽しかったです!
【今回の話に役に立ちそうな本】
三輪浩之『建築知識2024年7月号 中国の建物と街並み詳説絵巻 新石器・古代王朝から清朝まで』エクスナレッジ
柿沼 陽平『イラスト図解 中華後宮事典 中華風ファンタジー創作のための』河出出版社
(衣装のイラストをパっと見て、どこがなんて名前なのかわかるのでオススメ)
左丘萌(著)、松春(絵)、黒田幸宏(翻訳)『古代中国服飾図鑑 唐代』翔泳社
(帔帛の説明はほとんどないが、イラストで色んな巻き方があるのがわかる)
榎本秋(編著)・榎本海月(著)『物語づくりのための黄金パターン世界観設定編①中国と中華風のポイント25』ES BOOKS
(文字だけだが、衣装について詳しく書いてある。唐代の女性は男装も多かったらしい)
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