反逆の先導者

東井タカヒロ

反逆の始まり

 火薬と鉄錆と、下水の匂いが漂う地下街。

 今は誰も使ってなかった街で僕らは着々と準備を進める。

 反逆の準備を――。


 俺らはレジスタンス。

 社会からはじき出したされた、溢れ者の集まりだ。

 ここには色々な奴が集まり、今も手を動かす。


 才能がありすぎる奴、努力が出来ない奴、環境で発揮出来なかった奴。

 俺も、その1人だ。


 俺らはこの社会に俺らという存在を知らしめる。

 絶対に忘れることが出来ないほどに。

 ……社会への復讐、ではない。

 不満、疑念、そんなちっぽけな感情が積もったのをぶつけるだけだ。

「よっ、調子は平気か?」

 染めた赤い髪に、薄着を纏った彼女。

 このレジスタンスのリーダーだ。

「えぇ、俺は煙草がありゃ、どこへでも着いて行きますぜ」

 彼女は決戦の日が近いのか、どことなく陽気な様子だ。

「そりゃ、楽しめそうだ」

 

 俺らの抵抗は実に簡単だ。

 娯楽を通じて、この社会に反抗する。

 カジノ、ゲーム、漫画、小説。


 俺らはじき出されたものが行き付く終点で、俺らは戦う。

 決して、綺麗な戦いじゃない。

 泥臭く行こうじゃねぇか。


 リーダーの招集がかかり、駆け寄る。

 リーダーがトランシーバーを口元に寄せ、開戦を宣言する。

 

 「さぁ!始めよう!僕らの進行だ!」

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反逆の先導者 東井タカヒロ @touitakahiro

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