第2話始まりの鼓動

ある日夢を見たその夢はこことは違う世界の夢だ世界中の人々がお互いに会話したり

空を飛ぶ車そしてフルダイブゲームが人気を博していた


すると自分を客観的見ているように視点が変わった別に何か特別が感想はない

紆余曲折 栄枯盛衰 有為転変 人や時代に流され逆らい時に止まりまた進む言ってみれば


普通の人生


感想を言えと言われ得れば病気で死んだ事とも含めて普通の人生だったねとそう若干皮肉を入れた感想が出てくるくらいだろう


それにその人生に華があったかと聞かれれば

「無い」と普通の人は答えるだろう



だが本人はそ思ってはいない彼は人生で誰かと添い遂げたり 大金を稼いだわけじゃない

それでも本人は楽しんでいたその理由は


DMMO-RPG カルディア・オンラインを心の底から愛した世界だからだ現実なんて忘れてしまえるほど、夢中になっていた。
毎日ログインして、仲間と冒険して、強敵を倒して、
幾千のストーリーをその世界で生きた。

――だから、当然のように思ったんだ。
「こんな世界に、本当に生まれることができたらな」って。

……まぁ、だからなんだって話なんだけどな。

だって――
そんなこと、あり得るわけがない



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そうして今日も俺はベットの上で目覚める

目覚めて夢の内容を理解したと 次の瞬間


 ――バチッ。


 一瞬、視界が赤く染まった。

 全身を雷のような衝撃が駆け抜ける。

 熱い。焼けつくように熱い。


 心臓の奥より 意識の底より、魂の奥底で何かが――はじけた 


荒れた呼吸が、喉の奥でかすかに鳴る。
けれど、それすらも遠く感じた。

血が逆流するような感覚。


心臓が何かを拒絶するように、脈打っている。
全力疾走のあとに訪れるあの意識の霞み――それが、今、ここにある。


でもおかしい。

体からは、何の音も出ていない。
脈動も、鼓動も、唸りも。


感覚だけが、異常に鋭くなっていた。

この瞬間、――俺の中で何かが、変わった。


身体を襲っていた異常な感覚が、ふっと静かに収まっていく。
意識が戻ると、視界に入ったのは窓の外。
夜が明けかけていた。


黒から群青へ、そしてほんのりとした光が空を染める。


その景色を見て、ようやく気づいた。

ここは、あの世界だ。


かつて、心の底から愛したDMMO-RPG――
『カルディア・オンライン』


今日に至るまでの「フォルドライン・アドル」

 八年間の記憶が、それを証明していた。
この世界の空、この街の構造、街の名前、スキルの仕組み、モンスターの配置 すべてが、



自分の知っているゲームと一致していたのだ。




しかしここで何故か冷水を浴びせられた様な

そんな感じがした




一致している。
……そう思った。


だが、よく記憶を辿ると違う。
本当に些細な、しかし見過ごせない違和感がそこかしこにある。自分でもハッキリとした理由が分からない


これは、かつて自分が愛した『フォルドライン・アドル』に酷似した何か――
いや、あのゲームに、誰かが続きを書き加えたような世界だ。


目覚めてあまり頭が働いていない状況でそう思った


 だが、人間という生き物は単純なもので、寝起きに一気にあれこれ考えたせいで、お腹が減った。


すると、思考が驚くほどクリアになっていく。
迷路を脱出した後のように、すっきりとした頭でたどり着いた結論は――



「まずは、ご飯を食べてから考えよう」



そうして、今の家族が待っているであろうリビングへ向かうため、ゆっくりと部屋のドアを押し開けた。
少し緊張する手つきだったが、その先にある日常が、どこか安心をもたらしてくれる気がした。

それと同時に、ゲームの世界に転生したという興奮が胸を満たし、
心の奥で新たな冒険の幕開けを告げていた。








ーー今になって思えば、「誰かが続きを書き加えた」なんて言葉は、冗談にもならないほど的確だった。


あの時の自分は、何も知らなかったはずなのに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る