第6話 日記帖

 私は教室で自宅に帰る準備をしていた。


 うん?


 モブ男子が近づいて来て、日記帳を渡される。


「これ、輝直美の落とし物らしい、返してくれないか」


 あああ、いつも三人で行動しているからか……。


 私が日記帖を受け取るとモブ男子は去って行く。それでも、スールの長女の個人情報だ、慎重に扱わねば。


 しかし、直美さんの日記帳か……かなり気になる。


 あの性格だ、きっと皆に嫌われてお嬢様校を追い出されたに違いない。


 私は息を呑むと。パラパラと日記帖を読み始める。


……———。


◯月✕日


 今日も下級生から告白される。これで何人目だ?

 

 今回は文学少女だ、ギャル系からお嬢さま系まで幅広くモテるなぁ……。


◯月✕日


 高等部の女子三人に呼出される。


「中等部の下級生に人気らしいな、高等部に上がったらカワイがってあげる」


 それは上級生からの地獄のパワハラ宣言であった。この学園は上下関係が厳しく。ただ、年齢が上という理由でパワハラができるのだ。


◯月✕日


 上級生からのパワハラ宣言を担任に相談する。


「輝、モテる、お前が悪い、そんなトラブルを起こすと、高等部に上がる時にメンタルのテストをする事になる」


 この学園は全国でも有名なお嬢様校だ、高等部に上がるにも厳しい審査が有るのだ。その答えに、私のプライドはこの学園からの脱却を考える。そう、自分のアイデンティティーを曲げてまでこの学園に未練はないからだ。


◯月✕日


 私は高等部に進級するテストを受けず。県立の工業高校に合格する事ができた、ここはスパット女子校を辞めて入学する事にした。


〇月✕日

……

私はここで日記帖を読むのを止める。

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