工業高校の百合の香りは甘く切なく。
霜花 桔梗
第1話 入学式
時は九十年代中盤の事である。
私、『遠藤 奈菜』、今、県立中里工業高校の入学式にのぞんでいた。
入学したのは、今年から新設された情報科だ。この県立中里工業高校は機械、電気、土木などの科目別にクラスが分かれていた。
私の情報科は三十五人のクラスで女子の人数は三人であった、これでも他のクラスに比べて女子が多い方だ。
そして、私の経歴は工業高校から遠い女子校の中等部出身であった。
うん?入学式だと言うのに警察が来ていた。どうやら、昨日、校舎の窓が割られたらしい。
この時代には不良なる人種が存在して、犯人は他校の生徒が犯人らしい。
怖い、怖い、女子校出身だと色々な刺激が多い。
とにかく、気持ちを切り替えて周りを見回すと男子ばかりだ。
やはり、男子は怖いでも攻撃的な女子より百倍ましだ。
その後、私は昇降口に入ると男の臭いにめげる。
あああ、女子の臭いが懐かしい。
と、思いながら、入学式が始まるのであった。
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