胡乱な様子で、しかし時に確信を突いたことを言う主人公と、「心が読める」能力がありつつも人を疑いきれない純な心を持つ女の子、そして、それらを取り巻く人と、一緒に巻き込まれてくる不可思議な事象、『霊異』によって織りなされる青春劇。終わる頃には少し傷だらけ、その傷をどう思うか、青春を送った彼や彼女らのように、読む人それぞれに答えが違ってくる作品だと思います。満たされない、という呪いをかけられた餓鬼たちはいかにその呪いから解き放たれるのか。あるいは、その傷の中に答えがあるのかもしれません。