大熊
そして今までどこにいたのか、貼り替えの時に適当に放った血止め薬草の山の上に
熊の傷は血止めの薬草のおかげで、浅い新しい傷痕は完全に血が止まり地肌の色になってた。今熊は背中の異物無くなってやっと安心したみたいで疲れ果てて寝ている。起きているより早く回復するんだって。
案内役の水蛇が一旦帰って主様に報告に行ったので、ティアと熊から少し離れた場所で休憩中。他には幼女と子狼1匹だけ少し離れた場所に座っているけど、それ以外は血の臭いに集まる獣や魔獣達を追い返すためにパトロール中。熊は大きかったし怪我そのものは動けないほど酷い訳じゃないから、起きれば互角かそれ以上じゃなきゃ大丈夫だから寝ている間だけだって。
主様から回復の
目覚めた熊が水蛇とティアに説明したことをまとめると、狩りの最中に背後から人間に襲われ回避し反撃していたら囲まれていた。何人かを排除したが背中に何かが当たった。なんとかその場から逃げ出しここで背中の異物を擦り取ろうと訪れたが、段々力が抜けていく様に感じ、傷付く程に擦っても駄目だったという事だったって。
話しからきっと魔力か生命力を吸い出す魔導具か、矢尻に魔法陣が書いてあったみたい。
「念のために矢尻は壊すね」
と言ってさっきは薬草を擦り潰した石で叩き潰したよ。
そしてなんと大熊は熊の獣人さんで以前は人間形態で狩人してたけど、色々あって今は獣形態になって森で暮らしていて、必要に応じて形態を変えていたんだって。今は生命の危機で変化出来ないし、人語は人間形態じゃないと話せないらしい。
私と狼獣人の子のことを話したら、服など人族に必要なものを手に入れるのに人族は必要だろうから家族になってくれるって。
ただね、元々固有の名前があったり、聖獣や霊獣など高位の成獣は名付けじゃあ普通はテイミング出来ないんだって。しかも真名を知られて本人の前で口にすると勝手に契約されちゃうんだって。念話ならOKって面白いよね。で、念話で話してるティアから【ヴィルジール】が真名だと教えてもらったよ。
「ん、これからジールって呼ぶからよろしくね」
あえて真名を言わなかったけど、名前を言う時に心の中で父さんになって欲しいなって強く願って手を握った。そしたらまた手から何か抜ける感じがした。
「あれ、テイミング出来ちゃった?」
『(真名のじゃないみたいだよ)』
「え~~」
『(マナジャナイッテ?)』とリリ
『(タブン、ファミリア)』とティア
『これがファミリアかぁ』とジール
なんかくだくだになってたのを立ち直った水蛇が仕切り直して案内を開始してくれたの。
そして着いた場所は沼からも遠くない穴蔵。非常に警戒心が強い魔物が掘ったもので、子育て中は半年で破棄しちゃうっていう習性で、でもしっかりと補強しているから他の生き物がその後を利用するんだって。ここは少し前まで更に体が大きめの種族が中を広げたから住めるだろうっていうの。入り口も狭過ぎず、中は案外広くて3部屋ほどある。
「今日は遅くなったからここで終わりにしようよ」
『(水蛇殿、俺のせいですまない)』
他の候補地は明日の朝食後という事になり、先ずは仮の寝床作りのためティア達親子と共に素材を探しに散った。狼集団とジールはお留守番というより、呆気に取られて固まっていたよ。私達は引っ越ししてたから慣れてるからさっさと動くよ。
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