ご来店

〘『はぁ…、貴方がたですか。

随分早く来たもので。

覗かないでいただきたいのですが、頼んでしまったものはしょうがないですね。

静かにしていてくださいよ?』


カタッ。

チリン――


『いらっしゃいませ』

『……どこですか、ここ』

『約束屋です』

『……』

『あなたは、〇〇年11月4日生まれ17歳、男。高校3年生の ―――螟懷幣鄙シ くんですよね。』〙


「なんで名前の部分が聞こえないんだ……?」

「……あなたが、拒んでいるのでは?あと、お静かに。」


〘『っ……、なんで』

『私は、この約束屋の店主の ―――縺ッ縺、 と申します。』

『店主!? ―――縺ッ縺、 は、お前はっ。ね、猫じゃないかっ!』

『猫がやる店には初めてで?』

『あたりまえだっ、猫が、喋るなんて。ど、どうかしている。どうかして……』

『ここに来るときに周りの店は覗かなかったんですか?隣は確か、コウモリが――』

『そうだ!!!!どうかしているんだ僕は!!ハッハハ……』


バンッ


『椅子を倒さないでいただけますかお客様?』

『ああ、どうかしてしまったんだ。僕が実際にいるのはどこだ?精神病院か――』

『お客様ぁ?手荒な真似はしたくないのですが!』

『ばっ、ば、化け猫。』

『これだから嫌なのです。重い約束事を抱えた人間は。』

『え…?』

『すぐに狂い始める』

『狂うだと?ぼ、僕は!狂ってなどいない!狂ってなど……』

『あなたは人を殺しそこねた。違いますか。』

『あ、あれは――』

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