谷ゆき子の世界(書籍)03 ※谷ゆき子 生涯について

 さて今回は、この書籍に書かれている彼女の生涯について語ります。

 一応、この書籍についてはこれで終了予定。


 復刊した『さよなら星』『まりもの星』については、まだ読了していませんが、月イチで府立図書館通っていますので、今後書くかもしれません。


 生まれ・代表作等は第二章にも書いていますので、若干カブるかもしれませんが、補足する感じで対比参考にして読んでいただければと。


☆年譜

 1935年7月7日生まれ、1955年に京都美大を受験するが不合格……この点は、私も同じ。違う点は、私は私大の大阪芸大の方に入学して気の合う友人たちと4年+α遊び倒しましたが、彼女は真面目にデッサン等の勉強をして、1957年には大阪のテレビ局で美術部門のアルバイトをしていたそうです。流石にその時の記録は『谷ゆき子の世界』の編集や、凄い谷ゆき子マニアの方(参考・Gooブログ・我楽多(がらくた)日記)でも追いかけられていません。


 1958年、彼女の父の友人が編集していた貸本出版社にて漫画家デビュー。単行本をいくつか発表を経て、短編集や表紙等を手掛けた後、少女漫画雑誌が複数創刊された1963年に講談社に誘われ姉と一緒に上京し、『少女フレンド』に連載を開始する。

 少女漫画家として活躍しはじめ、貸本漫画家時代の友人・花村えい子や楳図かずお等とも再会して交流、デビュー前の里中満智子の面倒等も見たらしい。


 その後の1966年頃から活躍の場は『少女フレンド』から小学館の学年誌に移り、小学二年生に『かあさん星(初代)』の連載が始まる。ただ、これは作品名に『星』がついていてもバレエものではなく、実際にバレエをテーマにしたものは翌年の『赤い花白い花』からです。それらは長期の連載で1年以上、つまりは学年誌の学年も進級してずっと続くものでした。その後も1968年に『白鳥の星』、そしてその翌年に『バレエ星』の連載が開始されていきます。

 前の02のエッセイでも語りましたが、これらの凄いところは 前の作品が連載終了して翌月から新しい連載が開始されるのではなく、前の学年の学年誌で新連載が開始していくから、違う学年誌で同時進行で最高4作の連載が続いているという事。

 また谷ゆき子が描いているのは、その学年誌の連載漫画だけでなく、幼稚園・よいこ他などにも単発の漫画を描いたり、絵物語の挿絵や表紙絵・口絵等も描いたから、もう多忙としか言えない日々がずっと続いていました。


 流石にそういう活動も7・8年過ぎるあたりで少し頭打ちになります。時代が変わっていった というのもあるかも。何せこの同じ学年誌に、後の巨匠・F藤子不二夫が1970年からドラえもんの連載が開始しましたから。

 当初ドラえもんの連載は、谷ゆき子の作品が掲載されているのと同じ小学1年生から4年生でしたが、1973年から6年生までの全学年に広がり、その同じ年に日本テレビでアニメ化までもされる人気ぶりでした。とはいえソレは今では、存在すらタブー化されている日本テレビ版で、私も当時観ておりました。しっかり覚えています。今のドラえもんに比べて、かなりデッサンが狂ったような絵で、ドラえもんの声も富田耕生でした。でもまぁ、その放送も半年程で終了。でもそれは人気が無かったからという理由ではなく諸般の事情。

 でもって1974年には、学年誌では初めてのコミック本・てんとう虫コミックスが、そのドラえもんの為にスタートしたのです。

 それは1話完結のドラえもんに比べ、長期連載の『バレエ星』等との違いがあるでしょうが、これがまだドラえもんと星シリーズのスタート時点が逆転していて、既にてんとう虫コミックスが始まった後だったら、星シリーズのコミックス化もあったのかもしれません。


 ドラえもんシリーズの好調と対照的に、その星シリーズは1974年1975年で収拾つけるように整理していって、1976年で全ての連載が終了。同時に谷ゆき子は小学館を去ります。

 その後、他の出版社に行く事も無く、ただその直前に話をしていたのか1977年に子供用文庫本の表紙・挿絵の仕事『美しいローレット』と『足ながおじさん』を最後にして、一旦漫画家・挿絵画家の仕事から引退します。


 参考『美しいローレット』

https://kakuyomu.jp/users/KAMOline/news/822139838829821827


 子供が出来て子育てに専念するとか理由もあったと思いますが、兵庫県に引っ越してファンシーグッズの店をしたらしいけど失敗して家も売ってしまったとか(一応家を持てる位は稼いでいたんですね)、そういう事が同・書籍内の息子さんへのインタビュー記事の中にありました。


 1985年に小学館の当時の担当者が神戸で再会し、それを機会にタッチも変えペンネームも変えて『ペポパピプ』という可愛い絵の漫画を『谷まどか』名義で半年ほど連載し、これが本当に(確認できるところで)最後の絵の仕事だった様です。

※絵もリンク先も記載できませんが、上記2つのキーワードで画像検索すれば、どんなタッチの漫画かは確認できます。


 ただまだ絵に対する未練はあったのか1997年に(息子さん談)改めて通信教育でイラストの勉強を始めるのですが、僅かその2年後に突然の病気で急死してしまいます。享年64歳でした。


 それでも谷ゆき子の熱狂的なファンはいた様で、彼女の漫画を発掘したり研究していた様で、その活動を彼女の息子が知り、連絡を取り合った様ですが、既に元原稿は廃棄されたか全然残っていなかった様でした。


 2013年、京都国際マンガミュージアムにて『バレエ・マンガ~永遠なる美しさ~』展が開催され、漫画家・谷ゆき子の再評価され、2016年に当書籍である『超展開バレエマンガ・谷ゆき子の世界』が出版。

 2017年10月に『バレエ星』が、2018年5月に『まりもの星』同年11月に『さよなら星』が、雑誌からのリマスター化によって出版される。

 残りの5作も元雑誌からのリマスターは可能でしょうが、この3作のみで見合うだけの購入者はいないと看做みなされたか、出版はもう無いと見て良いでしょう。


 さて上記書籍そのものはもう古書でしか入手は不可能ですが、読むだけなら電子書籍kindleから出来る様です。

 

☆参考


単行本

「超展開バレエマンガ 谷ゆき子の世界」図書の家編、立東舎、2016年10月。

※コミックではなく、作品読本

 なお、谷ゆき子の雑誌連載作品は生前には単行本化されず、現在全ての作品原稿は、所在不明となっており、下記単行本は、当時の雑誌誌面からの復刻出版である。


「バレエ星」 立東舎、2017年10月。

「まりもの星」 立東舎、2018年5月。

「さよなら星」 立東舎、2018年11月。

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