『ただいま ベッドでねむる吸血鬼のロック画面は青空だった』
最初はすやすやと寝息を立てる吸血鬼の愛らしい姿が浮かんできたのですが、後からだんだんと不穏さが漂ってくる。
ロック画面の青空は拾い画なのか。はたまた吸血鬼の知らない一面を表しているのか。それは、ただいまと帰ってきた彼または彼女にだけわかることなのでしょう。
太陽の下を歩けない吸血鬼が憧れていそうかつ、様々な意図が汲み取れそうな「青空」という言葉選びが魅力的です。
清々しい青の印象と青空をロック画面にしてしまうほどに浮かれた吸血鬼の様子や人柄、「吸血鬼なのになんで青空」というちょっぴりいけ好かない感じなど。「青空だった」というしめ方の余韻も相まって、短歌の中に存在するストーリーの余白を感じさせるような読み味が好きでした。
素晴らしい作品をありがとうございました。