第16話 旅する殺人者
旅する殺人者。
この世の者とは思えない凄絶な美貌。頭脳明晰で、自分の欲に対してどこまでも忠実。
信也は
二人は見たいものを見、食べたいものを食べる。長いハネムーンの最中なのだ。
ちなみに、桂司はいつも風呂敷包みを大切に抱えている。真偽は不明だが、中には桂司の妹の身体の一部が入っていると言う。
悪いことは言わない。復讐は諦めなさい。
学園長室で、学園長は
「ほぼ化け物じゃないか」
「ほぼではなく、化け物です。だから、関わらないで」
「私、向こうから話しかけられたのですが……」
学園長は、頭を垂れた。
「実は、十年ほど前、例の二人が
「と言うことは、旅の殺人者に悪意はない訳ですよね? 小さな子供が好奇心から蟻の巣に水を注ぐようなもの……。ただ、無邪気なのですね」
「余計、タチが悪いよ!」
「なら、向こう三年間、私たちはここに留まっていればいい。学園長権限で、面会したいと言ってきても、拒否はできますよね?」
学園長の目をじっと見る。叔母は、息を吐いた。
「あれから、十年でしょう。例えば、教員免許を持っていたらどうします?」
「ひっ……!!」
心臓が痛い。
「でも、恋人がいるのでしょう? いくら何でも学内で、連続殺人なんて品のないことができるかしら?」
「
真渕が馬鹿にする。
「その時は、さすがに通報しますがね」
夜も遅いので、寮の自室へ帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます