超絶美少女なのに飽き性のギャルが、ぼっちの俺にだけ飽きてくれない理由。
星野星野@5作品書籍化商業化
前編
第1話 飽き性ギャル
俺、
名前は
金髪ストレートという校則ガン無視の髪型に、いかにもギャルという鋭い目つきと凛々しい顔立ち。
そして顔だけでなくスタイルも抜群で、背丈や手足が長いのはもちろんだが、特にそのデカい胸は、常に男子たちに凝視されている。
字面だけで見たら「スタイル抜群の巨乳ギャル」なので、完璧に見える彼女だが……一つ"大きな欠点"があるとすればその"性格"だ。
彼女は他人よりかなり『飽きっぽい』性格をしている。
具体的に言えば、髪型やファッションもかなりの頻度でコロコロ変えるし、持ってくるカバンも、筆記用具も、スマホケースですら毎日のように違う。
授業だっていつも開始数分で上の空になっているし、テストですら開始数分で寝ている。
まあ、それなのになぜか成績は学年でも上位。これが一番解せんのだが。
さらに金城は多くの男子から告白されているらしいが、彼女は告白の最中に「飽きた」と言って毎回のように告白を断っているらしい。
告白が長くて飽きてるのかもしれないが、おそらく金城にとっては、彼氏(男)という関係すら飽きやすい類いのジャンルなのだろう。
「あー! また
「別にいいっしょ? わたしは常に自分をアップデートしたいお年頃だから」
「いや意味わかんないからっ! まぁでも飽き性の愛希ちゃんらしいわぁ」
今日も俺のクラスでは、ギャルコンビが騒がしくしている。
校内でもかなり有名な飽き性ギャルの
金城と和泉はいつも二人で行動している美少女ギャルコンビであり、クラスカーストの最上位だ。
ギャルコンビは席が隣同士であり、いつも隣同士で何かしら話をしているのだが……実は、その後ろの席にいるのが俺、
前の席に1軍ギャルコンビがいる一方で、後ろの席に座る俺は「オタク」で「陰キャ」で「ぼっち」という、負の三拍子が揃った男子。
このクラスは不運にも俺と同じ系統のオタク趣味を持った男子がおらず、他の男子とは趣味が合わなかったことで徐々に孤立していった。
もう高校入学から2ヶ月。
梅雨の季節になっても、俺は相変わらずぼっち高校生ライフを過ごしている。
今日の放課後だって、ソロ活と題して一人でB級映画を観に行く予定だ。ただのぼっちなのに。
「てか愛希ちゃん、今日はあーし手芸部の活動があるから放課後一緒に遊べないんだよね、ごめんね」
「ああ、そっか……大丈夫。わたしも予定、あるから」
「えー! 帰宅部の愛希ちゃんに予定!? 絶対に彼ピじゃーん!」
和泉が叫んだ途端、クラス中の男子たちが急に目の色を変え出した。
どいつもこいつも高嶺の
いくら飽き性ギャルの金城とはいえ、こんだけ可愛いくておっぱいデカいんだから、彼氏くらいいてもおかしくないだろうに。
「……別にそんなんじゃないし。とにかく、姫奈は手芸部頑張って」
「はーいっ♡」
その会話が終わると、男子たちの視線も自然と散っていく。
クラスの男子たちの金城に対する興味は常軌を逸している感じもある。
(ったく、飽き性でコロコロ髪型や香水を変えるギャルなんかに夢を見るなんて、どうかしてるだろ)
仮に金城と付き合えたとしても、すぐに飽きられて終わりだ。
告白してきた男子たちを告白の最中に「飽きた」と言って振りまくっているという噂もあるくらいだしな。
俺は他の男子たちと違って現実的な人間だ。
人生は何ごとも波を立てないことが一番、平穏で平和な高校生活を送れれば俺はそれで幸せだ。
そうやって自分を正当化することで、ぼっち陰キャは自分を保つことができる。
こうして俺は今日も、放課後まで平穏な生活を送るのだった。
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