巫女見習いですが、神様の大宴会にお呼ばれされます‼︎

夏楽屋あまな

第1話

 起きたら全然知らない場所にいた。最初は夢かと思ったけど頬をつねっても叩いても痛かったから多分現実だ。


とにかく私は自分の状況を知るために探索をすることにした。

自分は今、洞窟の中にいるらしい。とりあえず明るそうな方へ歩いて行く。


しばらく歩いていると古びた扉が光っているのを見つけた。この先に何があるのかな?よく見ると扉に何か書いてある。


──この先進む者 舞を捧げよ さすれば道は開く──


……舞を捧げる?

舞って巫女見習いの時に習ったものしか知らないけど、それでいいのかな?

まあ、間違ってたら扉が開かないだけだろうし、やってみよう!


すぅー、はぁーっ……


私は指先から足先のどこに至るまで意識を巡らせ、間違いのないように踊る。

時にくるりと回り、時にぴたりと止まる。


前に私が舞を踊ると「女神様の降臨だ」とか「聖女様だ」とか色々言われた。自分では何のことだかさっぱりわからなかったけど、周りはそういう風に見えたみたい。


「……っ!」


舞を踊り終わると突然目の前が明るくなって、思わず目を閉じる──


「あれ?本当に開いちゃった……」


目を開けると扉が最初から開いていたかのように、大きく口を開いていた。

あの舞でよかったってことかな?私はせっかく扉が開いたので先に進むことにする。


扉を抜けた後から空気が変わったようで落ち着かない。少し嫌な予感がする。

立ち入ってはいけないような場所に来てしまったのではないかと、今更ながら不安になる。


そういえばここはどこなのかな?今のところ洞窟だってことしかわからないけど。誰かいないかな?まさかこのまま元に戻れないなんてこと……ないよね?

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