第14話 会社員の鑑?テンプレ破壊者?とテンプレ適合率100%の男
前世にブラック企業で酷使され、解放された今世ではゆったりと暮らしたい。夢のスローライフ。
そんなラノベのテンプレに喧嘩を売っているような選手がいる。
ペドリ、FCバルセロナ所属のMFでワールドクラスの司令塔と評される選手だ。
とてもバルサらしいプレースタイルで、バルサのテンプレだけは守っている。フィジカルが弱点とされるが守備も勤勉、攻撃時の一対一には滅法強い(尚多対一でもボールを失わない)。
昨期リーガ37試合CL14試合に加え、カップ戦・代表戦に出場、ピッチ上でも走り回っていた。
これは偶々でもチームの都合でもない。
ペドリは負荷を掛け続けないと怪我をしやすくなる体質の持ち主で、一般常識の範囲での休養を与えると直ぐに怪我をしてしまう。
なので出ずっぱりの方が調子が良い。現に昨期のプレーは見事の一言で称賛を浴びた。
「休み?必要ありません。ぜひとも働かせて下さい」って言いながらどんどん成果を積上げていく。
一般世間でこんな人にいられたら周りが辛い。
人びとの内心の願望をぶち壊すような選手だわ。
神様も社畜に同情してくれなくなるだろう。
まるでラノベの登場人物のような境遇に陥ってるのが、マンチェスター・ユナイテッドからチェルシーFCに移籍したアレハンドロ・ガルナチョ。
勝ち気でやる気が有るにも関わらず今ひとつ成果が上げられず、不満が募ってトゲトゲしている。
王位継承で争っている王子様みたいに。
普通にやれればある程度の結果が出せるはずなのにチームの不安定さに巻き込まれた挙句、今夏にはマテウス・クーニャという完成品が加入して来る始末。そりゃ移籍しますわ。
ラノベだと如何にも悪い人物に騙されそうな境遇だ。
チェルシーでは、クラブワールドカップ期間中にジョアン・ペドロが加入し即活躍した。
ペドロ本人は優秀な選手だから良いのだが、シーズン開幕早々問題が囁かれ始めた。ペドロは純粋なCFと違い中盤に降りたり左サイドに流れたがるため中盤でコール・パーマーとプレー範囲が被るというものだ。
これを解決するには、パーマーが右サイドに流れるかペドロか左サイドに流れるのが一番早い。ただパーマーはチームの中心選手で王様だ。
左サイドで出場する選手は誰であっても巻き込まれる可能性が高い。昨期ブライトンでの三笘薫と同じ窮屈な目に遭う。
チェルシーのスカッドを見てみるとガルナチョの出場機会は十分あると思われる(ジェイミー・ギッテンスよりチームプレー出来ると信じたい)。それでも快適な環境であるかは怪しい。
よりラノベの登場人物らしい遍歴を辿っているのが、今夏サウジのアル・ナスルに移籍したジョアン・フェリックス。
SLベンフィカからスタートして、アトレティコ・マドリードに高額移籍金と共に移る。
が 、アトレティコは鬼軍曹ディエゴ・シメオネに率いられる烈しい執拗な守備が特徴のチーム。
「こんな守備すんのヤダ、もっと攻撃したい!」とチームを飛び出し、チェルシーに移籍。
あまり上手くいかずその後レンタル移籍でバルサやACミランに行くも、やっぱり上手くいかなかった。
そして今夏、アル・ナスルに移籍。
素行が悪く自分勝手な天才肌、まるで逃走劇の様な移籍歴。
これはもうラノベの登場人物にピッタリハマる。
主人公との婚約を破棄し追放する馬鹿王子様にこれだけ似合う現役選手は他にいない。
有力なオファーが届かなかったのは、「彼はビッグプレーヤーではないし、もう成れない」と他チームが見限ったということ。断罪だし静かな公開処刑のようなものだ。そしてアル・ナスルに追放。
サッカー市場で、ざまぁされる。でも大丈夫まだ孤独じゃない、クリスチアーノ・ロナウドがいる。
それに多分ジェイドン・サンチョがもうすぐ同じ道を辿る。
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