第22話 新作ドリンク

「さてさて、本日は、今更ながらに新登場

 あの、タピオカミルクティーのグランド

 リッチテイスト版、その名も、

 レディーの小指のゴールデンルール

 熱い熱い情熱のアイスミルクティー

 イン タピオカ、が、この秋始めに

 新登場、、、するかしないかは、あなた

 次第。10月の試飲期間アンケートで

 人気があれば、通常メニューと

 なりまぁーす。皆さん、どうぞ、

 お試し下さい。値段は1杯300円。

 この機会に、是非、どうぞ。」


「あら?新しい宣伝が、入ってきたわ。」


りさが、グループラインを開いた。

彼女は、案山子コーヒーメーカーの、

自動販売機営業をしている。


「商売敵きね。でも一応、偵察がてら

 頼んでみようかしら?」


スマホを片手に、かおりこ、さくらに、

連絡メールを、いれてみる。


「リーフラロイで、タピオカミルクティー

 の、グランドリッチテイスト版が

 お試しで、飲めるみたいです。

 行きたいです。」


送信。

さくらから、すぐ、返信がくる。


「いいわね、タピオカミルクティー。

 私、会社では、コーヒー派だから

 たまに違うの飲みたいわ。私は

 行けるわよ。」

「そうですか?良かった。」

「うん、なら、今日なんて、どう?」

「イイですねぇ。」

「じゃ、19時に、お宝の前で。」

「はい!19時に、お宝の前で。

 かおりこさんにも、メッセージいれとき

 ますね。」


お宝の前、というのは、例の、

ミルシティの内側の道路沿いの脇にある、

小さなプレハブの建物の、宝くじ売り場の

前、ということだ。


「かおりこさん。今日、19時、お宝の

 前、集合でーす。リーフラロイに、

 行きまぁーす。」


メールを打ち、りさは車を走らせる。

今日の営業は、お得意様からの紹介で、

新しく販売機を設置することになった

お客様の所だ。ボランティア団体、

クリア ブルー エンジェルの集会所

の前に販売機を2台。

夏前に置けるのは、良くある事だが、

夏の終わりのこの時期に、清涼飲料水系

と、おでん系の、2台の発注は珍しい。

このところ、成績の振るわなかったりさに、

ビッグビジネス到来だったわけだ。

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