第12話
side乃愛
今日から組織に新しい人が入ってくるらしい、さっきボスから皆に説明があった。なんでも素性がすべてわからないが、転移の能力者であることそして連続殺人犯であることの二つ。
もちろん連続殺人犯が組織に入ることに犯行の意を示す人もいたがボスが「異論は認めない」というと苦虫をかみつぶしたような顔にはなったが何も言わなくなった。うちとしては連続殺人犯だろうが仲良くしてくれて害をなさない存在であれば何でもいい。ただ転移の能力は強いが身体能力自体は高くはないだろうから足を引っ張らないでほしい。
実際に見た感想では何もわからなかった。ほんとに言葉通りだった。顔は仮面で隠してあった。すこしだけわかるのは声がうちと同年代くらいで身長は普通より高いってことだけでそれ以外は謎に包まっていた。名前はコルソンらしいなぜかうちはコルソン君に興味を引かれて食堂に連れて行ってた。いや元から仲を深めるために誘うと思っていたがチャラ男がさそうとしたとき無意識に睨んでいた。私に睨まれたのを気づいたのかそれからチャラ男は何もしゃべらなくなりみんなもその雰囲気に釣られたのか結局うちしか喋らなかった。
食堂で質問をしてみたけど肝心なことははぐらかされたのがすこしむっとなったけど別にまた今度聞けばいい。
今日ボスからパトロールをコルソン君と一緒にやってほしいと頼まれた。いつも歩いて向かっているから転移がいると楽そうだし二つ返事で答えたけどすこし不安があった。それは治安が悪いから毎回店に行くと何かしら輩が面倒な行動を起こしていることだ。うちだけなら何とかなるかもしれないけどコルソン君まで狙われたら守れるかわからない。不安に思う気持ちにふたをして向かおうとしたが前からシェアンが来た。はっきり言うとあまりシェアンのことは好きじゃない。組織の男が一回はシェアンの誘惑に逆らえず部屋に入っていたのを何回か見たことがあるからだ。いつもはうわぁ……くらいにしか思わないのになぜかコルソン君のことを考えるといつもより気持ちが大きくなって手を引っ張て行ってしまった。反省しなきゃ。
……今目の前で何が起こっているの?
そんな疑問を自分自身に投げかけて頬をすこしつねってみた。…痛い。ていうことはこれは夢でも厳格でもなく現実?
うちは自分で言うのもなんだけど容姿がいい。そのため夜の街を歩いていると男からよく声をかけられる、大体は気絶させて治安部隊の前に置いていくんだけど今日はいつもより少ししつこいやつらに絡まれた。さっさと気絶させようとしたけどコルソン君が一瞬にして三人をやっつけた……いや殺した?
うちは殺すのにすこし躊躇があるからコルソン君に恐怖した。いやあこがれだったのかもしれない。だけれどコルソン君の謎に関する興味がどんどんと膨らんでいく。例えるならばコップ一杯にはいってる水にさらに水をたしていくような感覚だ。これ以上増えたらどうなるのだろうか、自分でもわからない感情が頭の中に入ってくる。
いま考えた疑問もあるけどそれよりも転移の能力者なのにまるで能力がもう一つあるような強さを持っている。うちも能力者だからわかるけどあれは能力を使わないとできない動きをしてる。『もしかしてだけどコルソン君は能力を二つ持っている?』ありえないと理性が考えているはずなのに本能が否定しない。
「―――しょうか、何しろここにいると治安部隊が来てしまうので」
「……………あ、え!う、うん!そうだね!」
考えすぎてしまったらしい。なぜか仮面で隠れているはずの顔に視線が吸い込まれていく。
今乃愛に種がまかれた。
side大翔
乃愛に声をかけた後に店を回っていく。合計で十店舗あるらしいが今九店舗目まで見回りした。最後の十店舗目まで何も起こらないといいが……。
「ここが十店舗目のところか……なんとも変わった名前だな」
『やってみろBAR』
店名をみるがインパクトが中々ある名前ですこしびっくりする。
「ここが最後のところでほんとに会っているよな?」
「うん、うちも初めて見た時はびっくりしたけど店の中に入ると普通の雰囲気だよ」
乃愛が喋りながらドアを開け店内へ入っていくとカウンターがおりその奥に……なんだあれ?
なんか怪物がいる……具体的に話すとメイド服を着ているムキムキマッチョのおじさんが化粧をしている。
やばい……明らかにやばい本能が警笛を鳴らしてここから離れろと言っている。
「あら!乃愛ちゃんじゃないの!そっちのは彼氏さんかしら?彼氏さんじゃなかったら食べちゃってもいいかしら?」
俺の人生はここで終わりかもしれない……。
―――――――――――――――
追記
ほかの作品などを見ていると本当に♡がモチベになるのかと思っていたのですがいざ書いているとマジでモチベになりますね。てことで♡下さい!!!
はい。乞食です。
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