異世界到着

 異世界に着いたは良いが、右も左もわからない私はとりあえず近くに居たエルフっぽい半魚人と、半魚人っぽいケンタウロスにここがどこか訊ねれば、ここはナーロッパという世界のナー日本という国のナー群馬県という場所だという事が判明した。

 ナー群馬県……どうりで埼玉県っぽい場所だなと思った。匂いなんてまんま埼玉県だしな。まあナー群馬県なら納得だ。


 と私が納得していると、急に目の前に巨大な怪物が現れた。


 姿自体は見た事がある四足獣。しかし座高……じゃなかった体高は余裕で3メートルはあるであろう巨狼。その巨狼が――


『我はフェンリル。我が問いに答えよ人間。但し不本意な答えならば貴様を喰う』


 問答無用で喰わないって意外と優しいな? と私が小首を傾げていると。


『このホラー映画女子力高いな? 何故そう思った?』


「ゾンビが人間を襲わずに美容系サプリにばっか群がるから」


 あ、女子力じゃなくて女子ぢからに振るべきだったか?


『ほぅ? ……悪くはない。だが、まだまだだな、次ッ』


 え〜まだやるの?


『ハリウッド版「浦島太郎」にありがちな事とは?』


「助けた亀の飼い主が、腕に『乙姫』と彫られたタトゥーをしているビッチ」


『ウム。これも悪くはない。では次で最後だ』


 お、最後か。


『ブチギレた魔王をたしなめてください』


「はいはい、いい加減にしないとエクスカリバーでお尻ペンペンですよー」


 あなた前に買ったドラゴンだって、結局自分で面倒見てないでしょ? っと私が考えているとフェンリルは早速答えを出す。


『……3問の答えを聴いた結果』


 結果?


『悪くはない。だが、満足もいかぬので喰うッ!!』


 言ってフェンリルの下アゴは地に着き、上アゴは天へと伸びて私に襲い掛かってきた。



※※※



今回のお題


「このホラー映画女子力高いな? 何故そう思った?」


「ハリウッド版「浦島太郎」にありがちな事とは?」


「ブチギレた魔王をたしなめてください」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る