第4話 5人の美少女ギルドメンバー

「せっかくだから、名前も女の子用にしよう!そうだなぁ...悠くんは――''ユナ''だ!」


賢者は、俺たちの意見など一切聞かずに勝手に命名していく。蓮は「レイナ」、透は「ミア」、悠馬は「リオ」、真は「カレン」になった。


「よし!みんなで名前呼び合おう!!」

「するわけないだろ」

「いいね!俺はやるぞ!ユナ!ミア!リオ!カレン!」


レイナ(蓮)は元気いっぱいに賛同ミアは相変わらず冷ややかだが、他のメンバーは淡々と名前を呼び合い始める。...仕方なく、俺も小声で


「レイナ、ミア、リオ、カレン」


と口にした。最後まで頑なだったミアも、周りに流されて小さく全員の名前を呼んでくれた。


――不思議だ。さっきまでぎこちなかった空気が、少しだけ柔らかくなった。


賢者に案内され、俺たちは賢者タワーのギルドルームへ。


「ここが、君たちの新しい拠点だ!」


中は驚くほど広く、家具や家電が揃った生活空間に、配信用のスタジオまで完備されていた。これなら、ダンジョンにも配信にもすぐに対応できる。


「今日からここで暮らしてもらう。一人一部屋だ。安心してほしい。質問はあるかな?」

「はい」


ミアが手を挙げた。


「このギルドマスターは賢者様ですが...ダンジョンに潜る時のパーティーリーダーは誰ですか?」


確かに、リーダーは必要だ。まあ、俺には関係ないだろうけど――


「もう決まっている。ユナ、君だ」

「...は?」


理解が追いつかない。


「いやいや!俺なんかが無理です!D級ですよ!?他のみんなC級じゃないですか!絶対他の人の方が――」


必死に抗議するも、賢者は笑顔で「君なら大丈夫!」の一点張り。ミアは明らかに不満顔だが、他の三人は妙にあっさり受け入れられる。


...こうして俺は、リーダーにされてしまった。


「リーダーも決まったことだし、次は装備だ!」


賢者が持ってきたのは、マネキンに着せられた衣装だった。淡いパステル色のショートジャケット。袖口と襟にはふわっとした白いファーとレース飾り。胸元にはゆるく結ばれたリボン。プリーツスカートやショートパンツ、軽やかなサイドスリット入り。足元はブラウンの皮ブーツに、小さな三日月の刺繍。そして、三日月型のイヤリング――リーダーの俺だけ白色、他は青色だ。


「これを着てもらう。配信映えは大事だからね!」


スカート....?絶対履かない。


「じゃ受け取った人から部屋で休んでいいよ。夕食は食堂で」


夕食の時間。食堂に行くと、すでに全員集まっていて、レイナとリオが食べ方で喧嘩をしていた。


「おい!くちゃくちゃ食べるな!」

「別にいいだろ!」


ミアはその横で淡々とスマホでダンジョン配信を見ながら食事。カレンは隣の席で笑顔。


「女の子って楽しいね」

「...そうかもな」


気づけば俺も笑っていた。ずっと一人でいた俺が、同じテーブルで笑っている――それだけでも少し救われた。


食事後、ヘアに戻ってシャワーへ。女の体を直視するのは妙に罪悪感があって目を瞑って洗ったが、洗いづらすぎて諦めた。


鏡の前に立つ。黒髪ショートの小柄な少女――それが今の俺。


「俺じゃないみたいだ。でも...少し悪くないかも」


不安と期待を抱えたまま、眠りについた。


翌朝。ギルドルーム中央で、賢者が高らかに告げる。


「明日から――ダンジョン配信デビューだよ!」


「「「「「はああああ!?」」」」」


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見た目

レイナ:金髪ポニーテール。背が高め、健康的な体型

ミア:銀髪ロングの美人。細身で長身。

リオ:黒髪ロング。筋肉質でがっしりしている。

カレン:ふわふわしたピンク髪のボブ。小柄で幼めの雰囲気。

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