第4話 実風
彼女のスマホには、実風とのトークが写っていた。
実風:今どこいるー?
美菜:いまー?家
実風:あ、まじ。暇なら今日花火いかね?
:ちょっと遠いかもだけど
美菜:多分行ける、4時くらいに図書館前待ち合わせで
他愛もないデートの約束だった。けど、俺からしたら2人だけの場所が汚される気がした。いや、なんか気持ち悪いな、どうした俺。
「実風とでーといく事になった」
そういって少し頬を赤らめる姿に、すごくイライラした。
「やっぱ彼氏っていいよね、そろそろこんな関係やめにしたほうがいいのかな」
「実風に悪い子としてる気がする」
その瞬間俺の何かが壊れた音がした。
信じられない力で彼女を抱きしめ、首にキスマークをつけた。俺のものだ。
「いかないで、」
彼女にきこえたかわからないくらいの声でいった。
これは恋なのかもしれない、わからないけどいかないでほしかった。
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