高校性の恋愛
正糖派
第1話 美菜
「あっ、んっっ……、あん」
「美菜、この動画なんだよ」
「俺とあいつ、どっちがいいんだよ」
「実風じゃなかったら、どうなの」
そういった美菜の顔は、恍惚に満ち溢れていた
ぴぴぴ
「ん」
夏の朝が好きじゃない。
行き場のない高ぶった感情が心の奥をえぐって今にも口から戻したくなる。
眠い目をこすり実風のおはようラインをスタンプで返し、スマホを閉じた。
夏休みに入ってから、美菜の心はずっと高ぶっている気がする。胸が詰まる。どこにに行きたくない足を何とか動かして、襟の詰まった服に着替えるとまたどうしようもない不快感が襲ってきた。
「みっちゃーん、朝ごはんよー」
「、、、、はあい」
「今日は晴れてるし、誰かと遊んでらっしゃい」
今日はなにもない予定だったが、孤独で自分がどうにかなってしまいそうな様子を察し、親が無理やり外に出させた。
空は青い。どこまでも青い。
とりあえず暇そうな遥斗に図書館にでも行こうと連絡をいれた。
別に付き合っているわけでもないのに、好きでもないのに、どうして執着するんだろう。彼氏の実風だっているのに。優しくしてる春香だっていつも直ぐ側にいてくれるのに。
待ち合わせ場所までひたすら走った。この行場のない感情をどうにかしたかった。
私をここまで変えてしまったのは、なぜだろう。
実風にバレたらおわりだなあ。もしバレたら、
「その時は、どうしよっか、遥斗」
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