第22話 初めてのお泊り♪(高三のホワイトデー)
「早咲きの桜を見に行きたい!」
今年のホワイトデーはお互いの進路の事もあり、サプライズじゃなくリクエストを聞いてきた和田くんに私はこう、リクエストした。
これが無理難題だとは、その時私は知らなかった。
調べてみたら
更に調べてみると満開の予定日は3月6日頃……
「これはもう背水の陣だな!」と和田くんが挑んだ大学の合格発表の日が同じ3月6日で……
しかも卒業式の当日。
だけど私たちは、早咲き桜を見るための“初めてのお泊り旅行”の出発日をその日と決めた。
◇◇◇◇◇◇
さて、卒業式が終わって先生から『志望校合格!!』という朗報を聞いた和田くんは……いかんなく人徳を発揮して、高校最後のイベントをきれいに“額”へ納めた。
その一番最後の締めくくりに私の手をスーッと取って
皆の拍手に送られて「お先に!」と校門を出たのだ。
パーキングに停めてあったクルマをお母さんが校門まで回して来てくれて
助手席には和田くんのお母さん。
後部座席に私と和田くん
って乗り込んだ。
で、向かうのは和田くんのお家
旅行用のカバンや着替えを置かせてもらっていた。
私はそこでケーブルデザインのニットとスキニーパンツに着替え、ちょっとオトナめな春物トレンチを羽織ってフリンジストールを巻く。
そして左の薬指にはこの間、和田くんと買ったペアリング……
思い返せば約2年前、
あのホワイトデーの夜。
ウチのお母さんに
「和田くんに告られた」
とつぶやいたら
スマホをもぎ取られ、ソッコーで和田くんに電話を掛けられた。
和田くんから和田くんのお母さんへスマホを渡してもらい、母二人は大盛り上がり!!
母同士も大の仲良しとなった。
その“二人の母”に取り囲まれ
なにやら“箱”を渡された和田くんは
真っ赤になった。
そんな和田くんを母二人は思いっきりいじり倒して
ようやく私に返してくれた。
◇◇◇◇◇◇
川沿いの……満開の桜並木のトンネルを二人で歩く。
和田くんは腕に摑まっている私を、人とすれ違うたびにガードしてくれる……
気負いがなくってとても素敵!
こんな“喪女”、“腐女子”な私には本当に過ぎた人だ!
お母さん曰く『
その話を和田くんにすると、カレ、すごくマジメな顔で
「オレも同じ事、ウチの母に言われた。『あんなコはお前には二度と現れない』って」
なんて……カレは言ってくれたけど……
いいのかなあ……
私なんかで……
実は……
『オトコの子の胸ボッチ問題』が今夜こそ完全解決できると目論んでいる
腐女子ですゾ!
他にも色々と……
興味深々で
ネタ探しをしようと思っている。
でもね、
「いい加減、『和田くん』はないよね……
二人きりの部屋で……カレの事、なんて呼ぼう??
『アナタ』は……まずないけど!
『ヨシマサくん』?
それとも『芳政』??
うわっ!! 恥ず!!」
なんて顔を赤らめているのも事実だから……
許してね
ヨシマサ!♡
最終話へ続く
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