第15話 ラッシュガードの甘い誘惑①

 夏に向けて和田くんはどんどん黒くなっていく。

「まるで何かの果実みたい」とは考える。

 そう!

 いたいけな少年とスパダリのBL物語ならここから先は……スパダリが少年の顎をつまんで、まずはその甘美なくちびるを味わう事となる……

 こんな妄想はスラスラと出るのだが……の事となるとまったくもって想像できない!

 一応、和田くんとは付き合ってるんだけど……

 和田くんとキス??

 キャー!!!有り得ん!有り得ん!!有り得ん!!!

 何て妄想を激しくしている最中に和田くんがまた“地雷”を踏みに来やがった!!


 どういう事かって??


 スマホが鳴ってメッセが入ったの!


「旧3組の面々とプール行くんだけど行かない?」


 って!

 腐女子に太陽光は危険だろ?!(あくまでも個人の感想です)


 ったく男子は!!

 どうひっくり返してもスケベだよね!!

 でも和田くんの言うところの“面々”って、きっと女子も入ってるよね!

 と言う事は……加藤や明美や……揣摩さんも来るんだろうなあ……

 でも私と美咲は……行かないだろうなあ……私は当然『行かないクチ』なのだけど……

 もしプールで……揣摩さんが和田くんに『純情の皮を被った肉弾戦』を仕掛けて来たらどうしよう??

 これは由々しき事態ですぞ!


 と言う訳で美咲にメッセしてみたら

『そんなに心配なら行けばいいじゃん! 私は行くよ』と返事が来た。


『ええっ?! 行くの??!! 美咲、スケベな視線や太陽が怖くないの??!!』


『ラッシュガード着るから問題ないよ。で、屋根の下から動かない(*^^)v』


『ラッシュガードかあ~ 私、持ってないんだよね。水着は一昨年買ったのが着れると思うけど』


『へええええ?! まさかスクールじゃないよね??(; ・`д・´)』


『バカにしないでよ!家族旅行の時に買ったの!ただ……それが着れると言う事は……色々成長してないって事なんだけどさ(-_-;)』


『それは(:_;)だねぇ~でもさ!お母さんので良かったらラッシュガード貸すから千景も行こうよ!せっかくのチャンスだしさ!』


『せっかくのチャンス??』


『そう!“オトコの子の胸ボッチ問題”が解消できるかもよ』


『うおおおおお!!! なるほど!!』


 こうして不埒な企みを抱えた二人の腐女子が……健全??なプール遊びに参戦する事となったのだった。


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