第4話 エチケット袋もチャラいおせっかい??②
和田くんに頼まれてバスに戻ると、力なくうなだれていた
「田中さん……?」
疑問形で『タナカ』って呼ばれるとますます“ニガテ”な耳ざわりになるのだけど、今はそうも言っていられない。
「気分悪いの?」
「ん……そうじゃなくて……」
言い掛けた揣摩さんの目から涙がポロリと零れる。
「……今日、かなり重くて……ここまでとは……思わなかったのに……」
ありがとう
感謝です!!
さっそく使わせてもらいます!
私は荷物棚から“お姉さまの紙袋”を引き下ろして揣摩さんの前に“痛み止め”を並べた。
「頭痛がある場合がこっちで……吐き気を伴う場合はそっちみたい」
薬を飲んで少しは落ち着くかと思ったのに揣摩さんは涙ぐんで顔を覆ったので……そんなに辛いのかと私の心も痛んだ。
「これ使って!」
まず“お姉さまの紙袋”から使い捨てカイロを出して渡した。
「足りないようだったら和田くんに電話して買いに行かせるから」
そう言うと揣摩さんは顔を抑えたまま
その様子に違和感があったので思い切って聞いてみた。
「ひょっとして……和田くんと何かあった?」
すると揣摩さんはもっと激しく頭を振ったので……私は確信した!
「
で、私は猟犬のように
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