第3話 このとき姉ちゃんはオレたちがどうなるか知らずに“小石”を投げた①
ゴトリ!
着替えの他にちょっとしたレクリエーショングッズを詰めこんだキャリーケースを廊下に置いた時、トタトタとした足音で姉ちゃんが下りて来た。
「
「まだ早いんだけど……クラス委員だからさ、一番乗りしないと!」
「ご苦労だね~ オリエンテーション旅行での雑事一般お引き受けが1年のクラス委員の初仕事みたいなもんだからね~ まあ頑張りな! キミの仕事いかんでこの1年間のクラスの雰囲気が決定づけられるのだ! というのは『過言』だけどね」
そう言ってカラカラ笑う姉ちゃんは同世代の野郎の目には結構『キレイ』だったり『カワイイ』かったりするらしい。
でもさあ~今の姉ちゃんの恰好! バッサバサの髪で……パジャマ代わりのスウェットを、な~んも
「わざわざのお見送りありがとう」と冷た~い目でお礼を言うと、姉ちゃんは頭をボリボリ搔きながら手に持った可愛らしい紙袋を差し出した。
姉ちゃんは
「ん?餞別くれんの?」
「お前じゃない!お前の相方の…田中さんに渡しな!」
受け取ると重さは軽めだが中身は詰まってそうだ。
「なにこれ?」と思わず覗き込もうとすると
「ああ!! ご無体な!!止めてくださいまし!」と変な声で姉ちゃんは身悶えする。
んで、それに連れて
「ハイハイ見ませんよ! そのまんま田中さんに渡すから」
「よ~し!よく言った!それでこそ私の弟じゃ!」
と、姉ちゃんは背伸びしてオレを抱きかかえて頭をワシャワシャする。
「やめてくれよ!!!
「アハハハ、私は『ペットにエサやり』の気分だよ。ホラ!ワンコロみたいに胸、舐めるか?」
この確信犯的セクハラ姉は!!!
だからオレは女性不信気味なんだ!!
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