ビッチなギャルと根暗な私

Kz幸(カゼサチ)

第1話 交わる関係がない二人

 退屈だ。いつも学校にいっては授業を受け一人で昼食を食べる、そして一人で帰り道を歩く。休日だって何もやることがなく、友人もいるわけがないので人から遊びの誘いを受けることがない。そんな代わり映えもしない毎日に私はうんざりしていた。

そもそも人と活発に話すような性格じゃないし、運動神経もいいわけではない、顔面なんて、人と比べられるようなものではない。その代わりといっていいものかわからないが勉強が人よりでき、小中高と青春を捨て勉強に注いだことで有名な女子大に入ることができた。まぁその代わり友人も思い出も何一つできなかったけど、、、



 ここまで来たら誰もが分かるだろう、私は根暗女子だ。



 「はぁ、ねむ、、」


 午前8時ごろ、今日は必修教科が1時間目から入っているため重い体を起こして大学へ向かった。外では桜が舞っていてそこらへんでは先輩やサークル団体が花見をしていた。朝っぱらから陽気だなぁと思いつつ、学校がうっすらと見える距離まで来た。


 ドンッ

 

 私が歩いていると後ろから人が当たってきて、倒れてしまった。


 「あ!!大丈夫?ごめんね!!」


 「え、、、、あ、、うん、、、こっちもごめ、、」


 「ごめん、授業遅れるからもう行くね、本当にごめんねー!!」


 というと彼女はすぐさま立ち上がって学校の方へと走っていった。私は唐突な出来事に処理が追い付かなかった。私が立ち上がろうとした瞬間、そこにはさっきぶつかった子が落としたであろうリップが落ちていた。私はそれを拾い、学校へと足早に向かった。



 「はぁ、はぁ、何とか間に合った、、」


 それから大体10分くらい、なんとかギリギリ学校について講義ホールへと足早に向かった。席に着くと周りではもうグループがあちらこちらにできていた。その中で私はぽつりと一人で座っていた。いつもこういう感じで授業を受けているがこう言う場合になるといつも小さい時から友達を作っていればよかったと過去の自分を恨みたくなる。


 「は~、つかれたぁ~、朝から必修あるなんて本当にサイアク~」


 私が席について数分後、講義室の扉が開き、そこから声に聞き覚えのある人が入ってきた。


 「あ!!今日の朝の人じゃん!!」


 そういうと彼女は私の隣の席まで来た。

 

 「あ、あ、どうも、、今日の朝はすいません、、、」


 「なにそんな改まってるのwwwまじうけるwwwいいよ、なんなら私からあたっちゃったし、、」

 

 「あ、はい、、そうだ、、、あの、これ、、」


 私は今日のことを思い出し、カバンの中からリップを取り出した。


 「あ!!これ私のじゃん!!よかったぁ、学校着いてからメイク直そうとしてみたけどなくてさぁ~、本当にありがとう!!」


 彼女はそういうと急に私に抱き着いてきた。


 「え!!、あ!、、ちょ、、え、、、?」


 私は急なハグに驚いたが離れるよりも先に頭がパンクして何もできなかった。

 


 

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