豊かな異次元の世界を築き上げている。各短歌の間に隠されたストーリーを手繰り寄せようと試みることになる個々の短歌は、何気ない日常の一瞬を捉えつつも、その背後に広がる世界を暗示しているよう。一見して雑多なイメージのように見えるこの短歌群は、実は非常に精緻な論理とリズムで構築されており、時にシュールで時に切ない一瞬を切り取る。エネルギーに満ちた言葉の渦中で、読む者は迷いながらも新たな視点に目覚めることだろう。