いなかの選挙 - 地方が豊かにならない本当の理由
さとうとしお
作品紹介
--地方の現実は、なぜ変わらないのか。
地方は、なぜ豊かにならないのか。衰退は、なぜ止まらないのか。なぜ、声を上げる者が報われず、沈黙が支配するのか。
国の予算事業で地方創生に関わり、現実に絶望しながらも希望を捨てきれない一人の民間人が、市長選挙に立候補する。
東京で企業支援・地方創生に関わる経営コンサルタント・榊原智哉は、地元市議の要請から地方都市の市長選に立つことに。
地盤も看板も鞄も何も持たず、それでも「誰かが立ち上がらなければ何も変わらない」と熱い志一つで訴え続ける。
相手は現職県議会議員(前市長)が擁立した副市長。
引退を表明した現市長は「次の市長は市民が決める」と公言するも、副市長を実質的な後継者として全面的にバックアップする。
市の職員も公約の作成等で上司である副市長に協力する。新聞各社はそれらを取材活動を通して察知したが、記事にせず黙認した。
街には大きな「組織の壁」が重層的に存在し、期日前投票を含めた投票所でさえ、組織的な不正が黙認されていた。
地方都市の首長選挙が、これほど澱んでいるものかと智哉は愕然とするが、持ち前のバイタリティと楽観主義思考で選挙戦に臨む。
しかしながら、結果はゼロ打ち(開票開始時間と同時に、当選確実が出ること)での惨敗。
それでも彼の姿は、重苦しい空気が一面に漂うこの街に風穴を開ける。
次世代の担い手である若い市民を中心として、その胸に火を灯し始めた。
地元に根付く若者たちが、街の課題を抽出して解決策を考え、動き出す「希望の種火」となって--。
「地方選挙」を描き、今の日本社会を問う。圧倒的リアリティで贈る、軽快なタッチながらも重厚な社会派フィクションが、いま始まる。
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