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  • 第32話への応援コメント

    桜井もみじさん、読ませてもろたで。
    全32話、痛みの濃いところから始まって、最後にちゃんと「生きたい」に辿り着くまでを描き切ってはって、読後に体温が残る作品やったわ。

    ほな、ここからは芥川先生の番やで。
    今回は「辛口」でいくから、えぐいとこまで言うけど、作品を良うするための話として受け取ってな。

    ◆芥川先生:辛口講評

    桜井もみじさん。僕はこの作品を、「救済を欲しがる者が、救済を受け取る怖さに敗れ続ける物語」として読みました。
    そして、終盤で主人公がようやく「生きたい」を言葉にする。その一点は、確かに美しい。しかし、辛口に言うならば、そこへ至る道のりには、作劇上の弱点が幾つも見えるのです。

    総評

    本作の長所は、徹底して主人公の身体と感情を追い、痛みを隠さないことです。双子の弟、魔女の母、怪しい友人、そして悪魔。周囲の存在が、主人公の世界を少しずつ開いていく過程には力がある。
    しかし同時に、痛みの反復が長く続きすぎるため、読者が「苦しみの新規性」を失う箇所がある。苦しいものを苦しいまま描くのは誠実ですが、文学は誠実さだけでは前へ進みません。反復は、変化を伴ってこそ刃になります。

    物語の展開やメッセージ

    序盤の閉鎖的な村と家庭の暴力は、主人公の人格と世界観を決定づける装置として強い。中盤、旅の中で「自分が見られる」「価値があるかもしれない」という小さな成功体験が差し込まれ、終盤の選択に繋がる流れも理解できる。
    ただ、要所で出てくる「解決が早い出来事」が惜しい。例えば、危機の局面で救済の手が差し込まれる時、説明や準備が足りないと、読者は「必然」ではなく「都合」を感じます。終盤の契約(取引)が象徴的に強いのに、そこへ至る論理の積み上げが、感情ほど強固ではないのです。

    メッセージは明確です。
    「愛は執着にもなるが、それでも救いになり得る」。
    けれど辛口に言えば、その命題を支えるためには、世界の規則――魔女、悪魔、村の倫理、血の意味――が、もう一段だけ輪郭を持つ必要があります。物語が情動で押し切れてしまうと、読者の中に残るのは熱だけで、骨が残りません。

    キャラクター

    主人公は魅力的です。荒い言葉の裏で、世界への恐怖と自己嫌悪がずっと鳴っている。その音が本作の心臓です。
    しかし同時に、主人公の内省が長く続く章では、感情の揺れが同型になりやすい。読者は主人公を憐れみますが、憐れみはやがて慣れます。慣れは、物語にとって毒です。

    悪魔の存在は、恋愛の推進力として強い反面、力関係があまりに優位であるため、読者が時に「恋」より先に「支配」を見てしまう。これは狙いとしての毒気だと思いますが、ならばなおさら、主人公が選ぶ瞬間を増やして、主体を補強すべきです。終盤の選択は良い。だからこそ、そこへ至る途中にも、ほんの小さくていいから「自分で決めた」が欲しい。

    弟や母、友人は配置が上手い。けれど、辛口に言えば彼らは「主人公のために」機能しすぎる場面がある。彼ら自身の欲望と恐れが、もっと前面に出れば、物語の世界は厚くなるでしょう。

    文体と描写

    一人称の語りは勢いがあり、身体感覚の描写が作品の空気を作っています。寒さ、痛み、匂い、欠乏。これらが一貫している点は長所です。
    ただし、その強度のまま終盤まで行くと、回復の局面でも文章の温度が下がりきらない。回復とは、同じ痛みの否定ではなく、別の光の獲得です。終盤では、語彙の選び方や比喩の触感を、もう少しだけ「透明」に寄せると、読者は回復を身体で理解できます。

    テーマの一貫性や深みや響き

    神への憎しみ、世界への不信、愛への恐怖。これらが最後に「それでもいい」へ折り畳まれていく構造は美しい。
    しかし深みという点では、テーマが時に「言葉」として前へ出すぎます。思想は、語られるより先に、出来事として読者の中に沈むべきです。『羅生門』の下人が善悪の理屈を叫ばぬように、倫理は行為で立ち上がる。あなたの作品はそこへ届きかけている。だから、もう一歩です。

    気になった点
    辛口として、要点を箇条書きにします。
    ・苦しみの反復が長い章で、読者の「変化の手触り」が薄れる
    ・世界の規則(悪魔・魔女・村の倫理・血の意味)が、情動に比べて輪郭が弱い
    ・危機の局面で、救済が「必然」より「都合」に見えかねない箇所がある
    ・恋愛の力関係が強い分、主人公の主体的選択を途中にも散らす必要がある
    ・サブキャラが「主人公のために」動きすぎる場面があり、各人の欲望がもう少し欲しい

    応援メッセージ

    ――とはいえ。僕は終盤、主人公が「生きたい」を掴む瞬間に、確かな誠実さを見ました。
    あなたは「救済」を安売りしない。傷を残したまま、それでも抱き締める。その態度は、書けそうで書けないものです。
    だからこそ、次は骨格です。世界の規則と、選択の積み重ね。そこが整えば、この毒のある恋愛は、もっと鋭く、もっと長く読者に残るでしょう。

    ◆ユキナの挨拶

    もみじさん、ここまで読ませてもろて、ほんまにありがとうな。
    芥川先生、辛口でズバズバ言うたけど、芯にある「回復」まで描き切ったこと自体が、まず強いと思うで。

    あと大事なこと、言うとくね。
    "自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。また、自主企画の総括をウチの近況ノートで公開する予定です。"

    カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
    ※登場人物はフィクションです。

    作者からの返信

    感想ありがとうございます!

    辛口講評、身に沁みました!
    実は元々ウェブ小説として書き始めたわけではなかったので、自分の描きたい『痛み』をこれでもかと詰め込んでしまい、結果的にかなり『しつこい』構成になっていたかもしれません(笑)
    『回復の局面では文章を透明にする』というアドバイスがとても刺さったので、そのコントラストを意識して、作品の骨格を強化していこうと思います!

  • 第7話への応援コメント

    あの後、一回も会う事が出来なかったけど、もしまた会えるなら、今度は街角で聞いた歌を一緒に弾きたい

    ここが凄く綺麗で余韻がありますね!
    ハートをつけさせていただきます

    作者からの返信

    感想ありがとうございます。
    気に入っていただけて嬉しいです。
    もっと精進いたします!!

  • 第3話への応援コメント

    悪魔…(*´ω`*)

    作者からの返信

    感想ありがとうございます。
    こんな悪魔が気に入ってもらえてうれしいです。