2026年1月11日 07:57
第32話への応援コメント
桜井もみじさん、読ませてもろたで。全32話、痛みの濃いところから始まって、最後にちゃんと「生きたい」に辿り着くまでを描き切ってはって、読後に体温が残る作品やったわ。ほな、ここからは芥川先生の番やで。今回は「辛口」でいくから、えぐいとこまで言うけど、作品を良うするための話として受け取ってな。◆芥川先生:辛口講評桜井もみじさん。僕はこの作品を、「救済を欲しがる者が、救済を受け取る怖さに敗れ続ける物語」として読みました。そして、終盤で主人公がようやく「生きたい」を言葉にする。その一点は、確かに美しい。しかし、辛口に言うならば、そこへ至る道のりには、作劇上の弱点が幾つも見えるのです。総評本作の長所は、徹底して主人公の身体と感情を追い、痛みを隠さないことです。双子の弟、魔女の母、怪しい友人、そして悪魔。周囲の存在が、主人公の世界を少しずつ開いていく過程には力がある。しかし同時に、痛みの反復が長く続きすぎるため、読者が「苦しみの新規性」を失う箇所がある。苦しいものを苦しいまま描くのは誠実ですが、文学は誠実さだけでは前へ進みません。反復は、変化を伴ってこそ刃になります。物語の展開やメッセージ序盤の閉鎖的な村と家庭の暴力は、主人公の人格と世界観を決定づける装置として強い。中盤、旅の中で「自分が見られる」「価値があるかもしれない」という小さな成功体験が差し込まれ、終盤の選択に繋がる流れも理解できる。ただ、要所で出てくる「解決が早い出来事」が惜しい。例えば、危機の局面で救済の手が差し込まれる時、説明や準備が足りないと、読者は「必然」ではなく「都合」を感じます。終盤の契約(取引)が象徴的に強いのに、そこへ至る論理の積み上げが、感情ほど強固ではないのです。メッセージは明確です。「愛は執着にもなるが、それでも救いになり得る」。けれど辛口に言えば、その命題を支えるためには、世界の規則――魔女、悪魔、村の倫理、血の意味――が、もう一段だけ輪郭を持つ必要があります。物語が情動で押し切れてしまうと、読者の中に残るのは熱だけで、骨が残りません。キャラクター主人公は魅力的です。荒い言葉の裏で、世界への恐怖と自己嫌悪がずっと鳴っている。その音が本作の心臓です。しかし同時に、主人公の内省が長く続く章では、感情の揺れが同型になりやすい。読者は主人公を憐れみますが、憐れみはやがて慣れます。慣れは、物語にとって毒です。悪魔の存在は、恋愛の推進力として強い反面、力関係があまりに優位であるため、読者が時に「恋」より先に「支配」を見てしまう。これは狙いとしての毒気だと思いますが、ならばなおさら、主人公が選ぶ瞬間を増やして、主体を補強すべきです。終盤の選択は良い。だからこそ、そこへ至る途中にも、ほんの小さくていいから「自分で決めた」が欲しい。弟や母、友人は配置が上手い。けれど、辛口に言えば彼らは「主人公のために」機能しすぎる場面がある。彼ら自身の欲望と恐れが、もっと前面に出れば、物語の世界は厚くなるでしょう。文体と描写一人称の語りは勢いがあり、身体感覚の描写が作品の空気を作っています。寒さ、痛み、匂い、欠乏。これらが一貫している点は長所です。ただし、その強度のまま終盤まで行くと、回復の局面でも文章の温度が下がりきらない。回復とは、同じ痛みの否定ではなく、別の光の獲得です。終盤では、語彙の選び方や比喩の触感を、もう少しだけ「透明」に寄せると、読者は回復を身体で理解できます。テーマの一貫性や深みや響き神への憎しみ、世界への不信、愛への恐怖。これらが最後に「それでもいい」へ折り畳まれていく構造は美しい。しかし深みという点では、テーマが時に「言葉」として前へ出すぎます。思想は、語られるより先に、出来事として読者の中に沈むべきです。『羅生門』の下人が善悪の理屈を叫ばぬように、倫理は行為で立ち上がる。あなたの作品はそこへ届きかけている。だから、もう一歩です。気になった点辛口として、要点を箇条書きにします。・苦しみの反復が長い章で、読者の「変化の手触り」が薄れる・世界の規則(悪魔・魔女・村の倫理・血の意味)が、情動に比べて輪郭が弱い・危機の局面で、救済が「必然」より「都合」に見えかねない箇所がある・恋愛の力関係が強い分、主人公の主体的選択を途中にも散らす必要がある・サブキャラが「主人公のために」動きすぎる場面があり、各人の欲望がもう少し欲しい応援メッセージ――とはいえ。僕は終盤、主人公が「生きたい」を掴む瞬間に、確かな誠実さを見ました。あなたは「救済」を安売りしない。傷を残したまま、それでも抱き締める。その態度は、書けそうで書けないものです。だからこそ、次は骨格です。世界の規則と、選択の積み重ね。そこが整えば、この毒のある恋愛は、もっと鋭く、もっと長く読者に残るでしょう。◆ユキナの挨拶もみじさん、ここまで読ませてもろて、ほんまにありがとうな。芥川先生、辛口でズバズバ言うたけど、芯にある「回復」まで描き切ったこと自体が、まず強いと思うで。あと大事なこと、言うとくね。"自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。また、自主企画の総括をウチの近況ノートで公開する予定です。"カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
感想ありがとうございます!辛口講評、身に沁みました!実は元々ウェブ小説として書き始めたわけではなかったので、自分の描きたい『痛み』をこれでもかと詰め込んでしまい、結果的にかなり『しつこい』構成になっていたかもしれません(笑) 『回復の局面では文章を透明にする』というアドバイスがとても刺さったので、そのコントラストを意識して、作品の骨格を強化していこうと思います!
2025年8月21日 12:04
第7話への応援コメント
あの後、一回も会う事が出来なかったけど、もしまた会えるなら、今度は街角で聞いた歌を一緒に弾きたいここが凄く綺麗で余韻がありますね!ハートをつけさせていただきます
感想ありがとうございます。気に入っていただけて嬉しいです。もっと精進いたします!!
2025年8月18日 05:13
第3話への応援コメント
悪魔…(*´ω`*)
感想ありがとうございます。こんな悪魔が気に入ってもらえてうれしいです。
第32話への応援コメント
桜井もみじさん、読ませてもろたで。
全32話、痛みの濃いところから始まって、最後にちゃんと「生きたい」に辿り着くまでを描き切ってはって、読後に体温が残る作品やったわ。
ほな、ここからは芥川先生の番やで。
今回は「辛口」でいくから、えぐいとこまで言うけど、作品を良うするための話として受け取ってな。
◆芥川先生:辛口講評
桜井もみじさん。僕はこの作品を、「救済を欲しがる者が、救済を受け取る怖さに敗れ続ける物語」として読みました。
そして、終盤で主人公がようやく「生きたい」を言葉にする。その一点は、確かに美しい。しかし、辛口に言うならば、そこへ至る道のりには、作劇上の弱点が幾つも見えるのです。
総評
本作の長所は、徹底して主人公の身体と感情を追い、痛みを隠さないことです。双子の弟、魔女の母、怪しい友人、そして悪魔。周囲の存在が、主人公の世界を少しずつ開いていく過程には力がある。
しかし同時に、痛みの反復が長く続きすぎるため、読者が「苦しみの新規性」を失う箇所がある。苦しいものを苦しいまま描くのは誠実ですが、文学は誠実さだけでは前へ進みません。反復は、変化を伴ってこそ刃になります。
物語の展開やメッセージ
序盤の閉鎖的な村と家庭の暴力は、主人公の人格と世界観を決定づける装置として強い。中盤、旅の中で「自分が見られる」「価値があるかもしれない」という小さな成功体験が差し込まれ、終盤の選択に繋がる流れも理解できる。
ただ、要所で出てくる「解決が早い出来事」が惜しい。例えば、危機の局面で救済の手が差し込まれる時、説明や準備が足りないと、読者は「必然」ではなく「都合」を感じます。終盤の契約(取引)が象徴的に強いのに、そこへ至る論理の積み上げが、感情ほど強固ではないのです。
メッセージは明確です。
「愛は執着にもなるが、それでも救いになり得る」。
けれど辛口に言えば、その命題を支えるためには、世界の規則――魔女、悪魔、村の倫理、血の意味――が、もう一段だけ輪郭を持つ必要があります。物語が情動で押し切れてしまうと、読者の中に残るのは熱だけで、骨が残りません。
キャラクター
主人公は魅力的です。荒い言葉の裏で、世界への恐怖と自己嫌悪がずっと鳴っている。その音が本作の心臓です。
しかし同時に、主人公の内省が長く続く章では、感情の揺れが同型になりやすい。読者は主人公を憐れみますが、憐れみはやがて慣れます。慣れは、物語にとって毒です。
悪魔の存在は、恋愛の推進力として強い反面、力関係があまりに優位であるため、読者が時に「恋」より先に「支配」を見てしまう。これは狙いとしての毒気だと思いますが、ならばなおさら、主人公が選ぶ瞬間を増やして、主体を補強すべきです。終盤の選択は良い。だからこそ、そこへ至る途中にも、ほんの小さくていいから「自分で決めた」が欲しい。
弟や母、友人は配置が上手い。けれど、辛口に言えば彼らは「主人公のために」機能しすぎる場面がある。彼ら自身の欲望と恐れが、もっと前面に出れば、物語の世界は厚くなるでしょう。
文体と描写
一人称の語りは勢いがあり、身体感覚の描写が作品の空気を作っています。寒さ、痛み、匂い、欠乏。これらが一貫している点は長所です。
ただし、その強度のまま終盤まで行くと、回復の局面でも文章の温度が下がりきらない。回復とは、同じ痛みの否定ではなく、別の光の獲得です。終盤では、語彙の選び方や比喩の触感を、もう少しだけ「透明」に寄せると、読者は回復を身体で理解できます。
テーマの一貫性や深みや響き
神への憎しみ、世界への不信、愛への恐怖。これらが最後に「それでもいい」へ折り畳まれていく構造は美しい。
しかし深みという点では、テーマが時に「言葉」として前へ出すぎます。思想は、語られるより先に、出来事として読者の中に沈むべきです。『羅生門』の下人が善悪の理屈を叫ばぬように、倫理は行為で立ち上がる。あなたの作品はそこへ届きかけている。だから、もう一歩です。
気になった点
辛口として、要点を箇条書きにします。
・苦しみの反復が長い章で、読者の「変化の手触り」が薄れる
・世界の規則(悪魔・魔女・村の倫理・血の意味)が、情動に比べて輪郭が弱い
・危機の局面で、救済が「必然」より「都合」に見えかねない箇所がある
・恋愛の力関係が強い分、主人公の主体的選択を途中にも散らす必要がある
・サブキャラが「主人公のために」動きすぎる場面があり、各人の欲望がもう少し欲しい
応援メッセージ
――とはいえ。僕は終盤、主人公が「生きたい」を掴む瞬間に、確かな誠実さを見ました。
あなたは「救済」を安売りしない。傷を残したまま、それでも抱き締める。その態度は、書けそうで書けないものです。
だからこそ、次は骨格です。世界の規則と、選択の積み重ね。そこが整えば、この毒のある恋愛は、もっと鋭く、もっと長く読者に残るでしょう。
◆ユキナの挨拶
もみじさん、ここまで読ませてもろて、ほんまにありがとうな。
芥川先生、辛口でズバズバ言うたけど、芯にある「回復」まで描き切ったこと自体が、まず強いと思うで。
あと大事なこと、言うとくね。
"自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。また、自主企画の総括をウチの近況ノートで公開する予定です。"
カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
感想ありがとうございます!
辛口講評、身に沁みました!
実は元々ウェブ小説として書き始めたわけではなかったので、自分の描きたい『痛み』をこれでもかと詰め込んでしまい、結果的にかなり『しつこい』構成になっていたかもしれません(笑)
『回復の局面では文章を透明にする』というアドバイスがとても刺さったので、そのコントラストを意識して、作品の骨格を強化していこうと思います!