第36話壁打ち非公開マストドンを再開したら英文をまた書けるようになってきた
ここのところマストドンで使っていたサーバーであるPawooの調子がすこぶる悪く、Google Keepに避難していたのだが、その間なかなか英文を書くことができず、フラストレーションが溜まっていた。
書かなくては、と思えば思うほど日本語しか出てこない日々が続いていて、焦りを募らせていて、英語学習用にしようと思っているオールドローズ柄のマンスリーダイアリーも、12月の使用開始に合わせて始められないかもしれない、と思っていた。
しかし、マストドンを再開してみると、するすると英語が出てくる。マストドンを毎日10時間以上使っていた時には、ほぼ毎日1時間前後は英語を書いていた。この日は40分ほど集中的に英文を書いた。
まっさらなメモ画面に縦横無尽に英語を書けないのは自分の弱さそのものなのかもしれないと思う。ポストボタンがついているだけで書ける/書けないという違いが出てくるのかと思うと、興味深くもあり、また自分自身の英語力の拙さを実感することともなったのだった。
内容は念の為伏せておくが、やはり自分という人間は比較文化的に日本のtrend cultureを見るところがあるなと思う。
そもそもアジア人にさほど興味がなくて、推しは二次元にせよ三次元にせよ欧米人だからということもあるのかもしれない。
とにもかくにもそうして英文をひたすら書いてみて、その過程でOLEX第三版を何度も引いたのだった。
パートナーが最近iPhoneから乗り換えた、Google Pixel 9aは、閲覧しているWEBページを瞬時に翻訳してくれる機能があるらしい。Gemini様々といったところだが、そのような環境で電子辞書をわざわざ買って、わからない語句や用例などを調べたい語句をわざわざ手打ちで入力し、検索してまた文章を書く、という一連の営みに、どのような意味があるのだろう、と立ち止まって考えてしまう。
私にとって英語は言語的亡命に他ならないということは以前にも書いたとおりだが、文化的亡命ならば他のジャンルであってもできる。
たとえば私は夕方ごろにウィーンフィルハーモニー管弦楽団のNew Year Concert 2025を聴いていたが、その間は日本語圏のネットのことなどすべてがどうでも良かった。
ただ自分の文章を向き合い、最後にはお馴染みのヨハン・シュトラウスⅠ世のラデツキー行進曲に合わせて、CDに録音されている聴衆たちの拍手と共に手を叩いた。ひとりきりの薄暗い部屋で、Air Podsをつけたまま、手拍子だけが軽やかに響いているさまはさぞかし滑稽だったろうと思う。
だがその間は少なくとも私の心はウィーンにいたし、日本の瑣末な情報は異国のもののように思えた。
私にとって英文を書くことは、この滑稽な文化的亡命よりはもっとシリアスなものだと思っている。思考を他言語で紡ぐことは、思考そのものを他言語に合わせていくことでもある。文章の構造によって思考が規定され、自ずと表現はよりリベラルな方へと向かう。皮肉めいた言葉も並ぶ。それを日本語で同様に表現しようと思ってもなかなか難しいだろう。
批評の一つの形として他言語の力を借りることは有益だと私は思っていて、拙い英語であっても、外側の視点から日本を捉えるという力学が働く以上は、より批判的な色合いが強くなる。ただしそれは非難や誹謗中傷ではない。
この違いについて言葉を割く時間はないので割愛するが、せめて批判という視点を私に与えてくれた大学時代にもっと意欲的に英語やドイツ語を学んでおけば良かったと思う。
そして今勉強するとするなら、第二外国語はドイツ語も捨て難いが、推しのThibaut GarciaとClair Obscur:Expedition33を生んだ国の言葉であるフランス語もいいなと思う。
すぐに手を伸ばせるほどの英語力は私にはないので、これも追々のこととはなるが、もう少し英語のwriting,hearing,reading力が担保できたら、次は第二外国語にも挑んでみたい。
そうした中で、パートナーが引きこもりの身で、趣味でルーマニア語を習得し、そのままルーマニア語で小説を書いて作家となった済東鉄腸氏の『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』を勧めてくれた。
まだ手に入れられていないのだが、いずれ手元に取り寄せて読みたいと思っている。かく言う私も4歳から英会話教室に通っていたものの、英語圏に出たことは幼少期のカナダ旅行ぐらいで、それも小学6年生の頃だったので、記憶もおぼろげになってしまっている。
それどころか、私もまた自力では自宅から一歩も出られない身になってしまった。勇気を出して辿り着けるのは郵便受けまでだ。これはここまで書いてきたように篤い持病によるところが大きいが、この引きこもり状態も一朝一夕に解決するものではないと覚悟はしている。
そうして引きこもりながら英語を書くことについて、もう少し掘り下げて考えてみたいとも思うので、形にできるよう、せいぜい日々の英文執筆に励みたい。
Death Stranding:Songs From The Video Game
2025/11/08 Death Stranding 6th Anniversary Dayに寄せて
自由の翼を求めて今日も考える 雨伽詩音 @rain_sion
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