第19話 2025.10.08 通院日を終えて家の中を整える

 通称マルキパレスへの通院日だった。難治性の精神疾患の持病が新たにひとつ増えるのが確定らしく、飲んだことのない薬を追加され、帰りにセリアに寄って文具を見るつもりだったのだが、その余裕もなく、タクシーで帰宅した。

 涼しくなってきたためか、院内がずいぶんと混んでいたこともあり、消耗してしまって、帰宅して病院から持ち帰った午後の紅茶レモンティーをイッタラのカステヘルミのグラスに移していただき、それからとりささみフレークにとろけるチーズを載せて黒胡椒を振ったトーストとピクルス、ミニトマト、コーンポタージュで遅い昼食を摂った。

 ピクルスはかねてから作品の中にも登場させてきたもので、我が家の近くにあるスーパーに時々入荷するのをパートナーが気に入っていて時折購入している。

瓶入りのもので、少し異国の香りがするのが好ましい。それらをLIBERTY PrintコラボのAfternoon Teaのプレートに盛って、欠けてしまった同じ柄のマグの代わりに、友人が内祝いに贈ってくれた白磁のマグにスープを注いでいただいた。

 下に敷くプレートは北欧ブランドのB.O.Fのもので、ポピー柄の模様がついている。

 そうして改めて温かい紅茶を飲みたくなって、AHMAD TEAのダージリンティーをSpodeのBlue Itarian柄のカップ&ソーサーに淹れた。

 ここのところの物価高で、ルピシアからAHMAD TEAに乗り換えたのだった。気が重いが、我が家は一日に少なくとも三、四度はリーフティーの紅茶を飲んでいるので、こればかりは仕方がない。

 そうして家の中のことも整えてゆく。食洗機を回し、リビングを片づけ、家中のごみをまとめておいて、食器をいくらか手洗いした。ここのところ持病のためめまいが重く、器をひとつ割ってしまったので、なかなか手洗いができないのだが、慎重に洗って布巾で拭いて戸棚に戻す。

 外に出ると家の中をきちんと整えなくては落ち着かなくなってしまうので、どんなに疲れていてもお茶を淹れて家の中をいつも通りに戻すための家事をする。

 元々家事が得意というわけではないが、難治性の精神疾患をいくつも抱えている身としてはわりと家事をやっている方だとは思う。少なくとも持病を理由に家事を完全に休んだことはない。

 新婚時代は絶縁した実母をはじめ、ずいぶんと周囲から家事の呪いをかけられてきたものだが、それらの人々から離れて淡々と家事をしていると、自分自身は思いの外家事が好きなのかもしれないと思う。

 先日「紙の世話」をするのが好きだということも書いたが、元々世話焼きなタイプなこともあって、自分が手入れをする対象があった方が前向きな気持ちになれるのかもしれない。

 結果的に家事は日々の活動量を担保し、脳を活性化することにもつながっているのだろうし、私がこれまで十余年の長きに渡って闘病生活を続け、パートナーとも良好な関係を築いているのは、ひとえに家事をやっている賜物と言えるのかもしれない。

 とはいえ義務だと思うと途端につらくなるもので、これからも「得意ではないにせよ、好きだから家事をやっているのだ」と思って日々励んでいきたい。


作業用BGM:Les Choristes:Bande Originale Du Film

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