第14話薔薇の香りを纏う──入浴ができない時の整容法について
持病である慢性疾患が再び悪化しつつあるここ数週間、なかなか自分のケアがおぼつかない。そうは言っても、ネットスーパーの受け取りで人と対面で会うこともあれば、多少は外にも出る。
そうした時に、特に入浴が難しい時の整容の自分なりの方法についてまとめてみようと思う。
こうしたケアについて、身体的には女性であることもあり、なかなか言葉にして書きづらいという思いは強かったが、様々な病や障害を患っておられる方々の中には、入浴をコンスタントにこなすのが難しい方もいらっしゃるのではないかと思う。
そうした方々の一助となればと思い、自分なりのケアのあり方を書いてみることにっする。
基本的になかなか入浴が困難な場合には、ボディシートによる清拭と着替えを第一として、さらに洗顔や髪の手入れなどが加わる。これが基本的なベースとなる。
私はインナーにこだわりがあり、夏場は「暮らしの肌着」というお店の、綿100%のホワイトのタンクトップ、冬場はスーピマコットンのガーゼ地のインナーを着ている。
清拭をした上で、汗をよく吸うこれらのインナーを取り替えて、その他の上に纏っている部屋着も着替えることで、最低限のケアとしている。
ユニクロのエアリズムは肌に合わず、痒みが出るのと、化繊素材のインナーには肌が負けてしまうので、綿100%のインナーは欠かせない。
インナーにはそこそこお金をかけるが、上に着る部屋着はGUやユニクロで、形や質感、色合いがきれいめのものを選んでいる。30代も半ばなので、夏場も最低でも7分丈ほどのボトムスは必須だ。もちろん足首まで隠れるボトムスも持っている。
それらをローテーションで着替えつつ、インナーは年に一度は買い替えたり、買い足したりしている。
インナーの着心地は、私のように慢性的な病を患っていると、QOLに直結するので妥協できない。部屋着が廉価なものでも、インナーの素材が良ければ、疲労感を低減できるし、多少はしのげる。
それから洗顔の保湿についてはクリスタルジェミーのオールインワンジェルに勝るものはない。多少値は張るが、自分自身のケアには欠かせない一品となっている。
とは言っても、それだけで完結するのではなく、夏場であっても、キュレルの化粧水→クリスタルジェミーのオールインワンジェル→キュレルの湿潤保湿クリームと重ねて塗る。
洗顔は毎日できればいいのだが、弱っているとおぼつかなくなってしまう。だからと言ってスキンケアコスメ、特にスキンケアの核となるオールインワンジェルを妥協してしまうと、自己効力感もどんどん下がってしまう。
そこで出会ったのがクリスタルジェミーのオールインワンジェルだった。28歳ごろから使い始めて、もう6年になる。紫外線をほぼ浴びない生活をしているので、目立ったシミなどはないし、自分の肌質には合っているのか、肌トラブルもここ数年は無縁のままだ。
そうして洗顔をした後はついでにマウスウォッシュをする。
歯磨きだけはどんなに弱っていても朝夕二回、決して欠かすことはないが、マウスウォッシュは補助的なポジションや、気分転換のために行っている。
とはいえマウスウォッシュ用の洗浄液は使わず、もっぱら水で口をすすぐだけだ。歯磨きと次の歯磨きの合間にも、口内の環境が気になることもあるため、一つのリフレッシュのためのアクティビティとして有用だと感じている。
洗顔をして保湿をする際には首にも保湿クリームを塗り、首のリンパマッサージも行う。それからタングルティーザーのヘアブラシで髪を梳き、櫛の手入れをしたあと、体調に応じて顔剃りも行う。洗顔をした後にはシュシュで髪をまとめて、不快感がないように気を配る。
さらに意識をして行っているのがムダ毛の処理で、やはり身体的に女性だとどうしても気になってしまうので、部分的にボディソープや保湿クリームを塗って剃る。入浴が叶わなくても、清拭とムダ毛の処理ができれば、一応なんとか人前に出られるだけのケアが成り立つことになる。
手指のムダ毛の処理の場合には、手浴も同時に行う。剃った後はその箇所をニベアのボディクリームで保湿する。
ボディケアに長年使っているのが、ニベアのプレミアムボディミルクのローズの香りのもので、昔の友人から「詩音はローズの香りのイメージだね」と薔薇の香りのハンドクリームを贈られてからは、香りのものを選ぶ時にはローズ系の香りを選ぶようにしている。
そうして一通りのケアを終えると、少しだけ気分も良くなるし、何より体の負担感も軽減されて、これでまたなんとか外に出られる、と思う。
本当に必要最低限のケアに過ぎないが、それでもやはり身だしなみを整えることは、パートナーとの共同生活を滞りなく行う上でも欠かせない。
少しずつ整容の内容を見直したり、体調に応じてその場その場で必要なケアの切り替えをしていくことも、これから年齢を重ねるにしたがって、求められていくことになるかと思う。
その時に戸惑いや不安も生じるだろうが、変化をできるだけ柔軟に受け入れつつ、その時々で自分に合ったケアのあり方を模索していきたい。
作業用BGM:冥丁/泉涌
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