1694 あらぬ誤解

 クリスマスプレゼントとして奈緒さんに渡した過去の思い出が詰まったスケッチブックは大好評♪

それ故に、思い出話にも花が咲き、雰囲気も抜群!!


ならば、このまま最後まで上手くいくか!!


***


「ねぇクラ……」

「はいはい、なんッスかね?」

「この29枚目の絵って、どういう意味?最後の方で、こう言う風に書くって事は、私の事が、もぉ嫌いに成ったって言いたい訳?」


へっ?

なんッスか、その発想は?


なんでそんな発想に成っちゃったんッスか?


いやまぁ、確かに、29枚目の絵には、少しトリックは含まれてるかもしれませんが、そういう発想に成るとは思いもよりませんでしたよ。


それにしても、おかしいなぁ?

崇秀のアホンダラァが企画した事なのに、これは、アイツがなにかしくじったとでも言うのか?


そんな事があり得るのか?


( ゚д゚)ハッ!……って言うか!!

もしそうだったら『フッ来たな』とか、心の中で格好付けてる場合じゃないな。


冷静に考えたら、これは。

まだ30枚目のメッセージを見て貰えてないのが原因に成って、どうやら有らぬ誤解を受けちまってるみたいだな!!



「いやいや、滅相もないッスよ。俺が奈緒さんを嫌いに成る事なんか、地球が滅びてもある訳じゃないですか。なんて事を言うんッスか」

「じゃあ、なんで今までの絵には『左手の薬指に指輪が描かれてた』のに、この絵だけ、それが書かれてないのよ?おかしくない?絶対におかしいでしょ」


そぉ。


奈緒さんが今言った言葉通り。

まず俺が、28枚目の絵までした細工は『有る筈のない結婚指輪』を、28枚目の絵までには全部に書き込んでた事なんだよ。


この指輪を薬指に書き込む事によって『思い出のシーンの時には、既に奈緒さんは、俺のものだった』って意思表示をしてる訳だ。


要するにだ。

世界的にも有名に成っちまった奈緒さんだと、流石に、人前で堂々と薬指に指輪をする訳にも行かないから。

せめて『絵の中でだけでも、それを叶えてあげよう』と言う意図が、この28枚目の絵までには含まれていた訳だな。


だが、今、奈緒さんが文句を言ってきた。


何故なら、29枚目の絵に関しては、崇秀指示通り、この指輪が描かれていないからだ。

勿論、これ自体は30枚目のメッセージに繋ぐ布石としてなんだが。

まだその30枚目のメッセージを見てくれてないから、こう言う状況に陥っちまってる訳だ。



「いやいや、少々おかしく思うかもしれませんが、実は、そこはそれで良いんッスよ」

「なんでよ?なんでそうなるのよ?」

「いや、まぁ、なんて言うか。1~28枚目の絵までは、俺の奈緒さんへの気持ちを明白にする為に全ての絵に指輪を描いてたんッスけど。29枚目には、敢えて、それを描かなかったのは、30枚目に繋がるからなんッスよ」


取り敢えずは、この状況下で四の五の言ってても始まらねぇから。

まずは、なんとしても30枚目のメッセージを見て貰う為に、簡潔な説明だけをさせて貰った。


まぁ実際は、何の説明にもなってないんだが。

今のトークで、30枚目へのメッセージには興味は持ってもらえたとは思う。



「えっ?あぁ、そうなんだ。この絵には、そう言うトリック含まれてたんだ」

「そうッス、そうッス」

「でも、途中で指輪に気付いて、機嫌良く見てたのに、急に、それが無くなったら吃驚するじゃない。辞めてよね、そういうの」


28枚目までの意図を汲み取って貰ってたのは良かったんッスけど。

それだけに29枚目の絵で指輪がない事には吃驚させちゃいましたか?


そりゃあ、すみません。

確かに、意図が解らなければ、そう思っちゃいますよね。


まぁけど、かく言う俺も、崇秀に、この企画の内容を聞いた時には、今の奈緒さん同様に驚いたもんッスよ。

そんな大人びた駆け引きを、中学生が考えるとは夢にも思わなかったッスからね。


まぁ、あのアホンダラァは、誰がどう見ても普通の中学生ではないッスけどね。



「あぁ、そこについては、すんません。申し訳なかったッス」

「いや、クラが、私の事を嫌いに成ってないんなら、そこは別に良いんだけどね。問題無し」

「なんか、すんません。……あぁけどッスね。さっきも言いましたけど。そこで手を止めずに、最後のページまで見て貰えたら、俺の意図も解って貰えたと思うんッスけどね」

「あぁ、そっか。じゃあ、まだ不安な気持ちが残ってるから、早速見せてもらうね」

「どうぞ、どうぞ」


不安になんかなる必要なんかは、なに1つとしてないんだがな。

俺は、こんなにも奈緒さんが好きだから、なにがあっても嫌いになんか成る訳ないからなぁ。


……なんて、俺の方は思っていたんだが。

奈緒さん、まだ妙に警戒してるのか、滅茶苦茶恐る恐るページを捲るんだよな。


この様子からして、俺は、大分、悪い事をしてしまった様だな。


すんません。


……っでまぁ。

結局は、そうやってビクビクしながらではあるものの、最終的にはページを捲ってくれる訳なんだがな。


その反応ってのが……



「えっ?……」

「そぅ、そこは、そう言う事だったんッスよ」


まぁ、これじゃあ、なんのこっちゃ、サッパリ解らないと思うから。

30枚目には、どんなメッセージを書いていたのかを説明するとだな。


『……永遠に、この笑顔が絶えません様に』

『……&この笑顔に成って貰える様な指輪は、どんな指輪ですか?』


……って、メッセージが書かれてある訳なんだが。


さてさて、この意図が解る?


これだけで解ったら、マジでスゲェわ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


倉津君は、あらぬ誤解を受けたみたいですが、これもまた演出の一環。

きっと崇秀は、奈緒さんが29枚目の絵で手を止め。

こんな風にクレームを入れて来る事も想定してる筈ですからね(笑)


さてさて、そんな北欧神話に於けるロキ並みのトリックスターである崇秀は、一体、このメッセージの中になにを込めたのか?


次回は、その全貌が明らかになりますので。

良かったら、是非、楽しみにして下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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