男の少ない世界で俺たちのできること
あに
第1話
「ひゃっはー!」
「や、やめてください」
「えー?君、アークエンジェルでしょ?」
「はい、そうです」
「じゃー廃棄ねぇ」
“グシャ”
ハンマーを持った男はアークエンジェルと言うアンドロイドを壊して高笑いしている。
「あーはっはっは!壊せ壊せ!狂った世の中を俺らが世直しするのよーん!」
狂った様にハンマーを振り回して寄生を発すると、
「あれ?何体目だっけ?」
「はい!106体目です!」
「よし!このまま200体目指すのよーん」
と走って行く。
20XX年、世界はアークエンジェルと言うアンドロイドによって農業、工業、全てを動かしていた。
そして子作りまでもがアークエンジェルによって行われている。
女は精子バンクから精子をもらい妊娠するのだ。
その為なのか男の出生率が激減してしまい、人間、特に男は絶滅危惧種に指定されていた。
「あー、ダリィ」
俺は
「スズト様、ご飯にします?お風呂にします?それとも子作りでも、キャッ!」
俺はアークエンジェルを退かすと、
「あー、外行って飯食ってくるわ」
「はい、わかりました」
1人に一体、アークエンジェルが配布され、精子バンクに入れる為にお世話をする。
俺らは家畜と一緒かよ!
「あー、スズト見っけぇ」
「おう、なに?まだやってんの?」
「スズトも一緒にやろうよ」
「いや、俺はいいや、頑張れよ」
「はいはーい」
家を出たところで
こいつはハンマー持って、チーム作ってアークエンジェルを壊して回ってる。
その分補充されるから意味ないのにな。
俺たち男は厳重に警備されていて、女が寄ってきても排除される様になっている。
と言うかこの街に女がいない、だから女に会ったことがない。
「ったく、あー!やりてぇ!」
と言うとどこからかアークエンジェルが来る。
「子作りですか?」
「オメェじゃねぇよ」
とアークエンジェルを退かすと、俺は街のギリギリにある定食屋に行く。
外を見ると荒野が広がっていてフェンスで仕切られている。
どこに女が住んでるのかわからない。
この店もアークエンジェルがやっているが、このアークエンジェルだけ個性がある。昔に作られたらしいので、俺はこのアークエンジェルとよく話す。
「なぁ、ババア!飯くれ飯」
「あ?ババアだと?てめえの腐ったチンポ噛みちぎってやろうか?」
「あはは。やっぱおもしれぇな!」
「ったく、野菜炒めでいいね」
「おう!あと女の情報くれよ」
グイッと胸ぐらを掴まれ、
「ちったぁ、頭使え?バレたらどうすんだい?」
「分かったよ」
他のアークエンジェルと顔も違うし化粧もしていない、人間とほぼ同じだが機械の体だからいくら乳がデカくてもやりたいとは思わない。
「はいよ、一応体に良いんだから食べな!」
「げ、ブロッコリー?野菜炒めで?」
「文句ばっか言ってないでマサムネをなんとかしな!あいつはやりすぎだ」
「知らねー、やりたい様にやらせるし」
「ったく、まだ昔は可愛げがあったのにねぇ」
と昔からの仲だから、色々と話ができる。
「なぁ。女ってのはどんなんだ?」
「私と一緒さ!まぁ、アークエンジェルよりは劣るけどね」
アークエンジェルは作り物の顔が嫌いだ。
本当は18から精子バンクに入れていかないといけないが、俺はまだ童貞のままだ。
出来れば最初は生の女がいいからである。
「あんたも一年も精子バンクに入れてないんだからそろそろ考えないといけないよ?」
「分かってるけど、やっぱ最初は女がいいな」
「ったく、拗らせてんじゃねーよ」
今年で19になるからヤラないといけないんだが気が進まない。
「ったく、文句垂れるんじゃないよ?」
と奥を指差すと、
「あっちに2人いるから好きなのとやりな」
「まじか!おっし!これで俺も大人になれるな!」
と飯をかっこんで食うと、奥の部屋に向かう。
「あ、」
「あ、は、初めまして」
ほ、本物の女、
「ほ、本物の男の人?」
「はい!本物の男です」
「きゃー、声が低い」
「ねぇねぇ、どっちが好み?」
「あ、2人とも好きっす」
と初めての女は少し化粧がケバいが、若くて金髪と黒髪の2人だ。
初めて会う女に興奮しっぱなしで、俺のがもう……あれ?
「す、すいません」
「いいよ、私達こそごめんね」
「いや、お姉さん達は悪くないっす。な、なんか緊張しちゃって」
くそ、こんな時に俺の俺はなんで元気にハッスルしないんだよ!
「いや、そんな時もあるって教科書に書いてあったからね」
「そうそう、気分の問題みたい」
「そうなんすか?は、博識っすね」
「まぁね」
金髪のツインテールの女の子が
俺の初体験はまだ先の様だ。
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